2017/09/18

左の肩が凝り過ぎて痛いのですが (9月24日の臨床実践塾)

左肩痛
  左肩が凝り過ぎて痛いのですが

僧帽筋  小菱形筋
    僧帽筋            小菱形筋


「左の肩が凝り過ぎて気分が悪い」という方が来られました。
そして、「凝りを通り過ぎて痛いのです」と言う。
凝りのある部分は、僧帽筋や小菱形筋、或いは肩甲挙筋、上後鋸筋辺りなのですが、
「奥の方で凝っている」とも言います。

そして、凝りを探すのに、あちらこちら触るので、
「申し訳ないけど、だいたいでいいですから、ここら辺、というところを指で押さえてくれますか。それと、ブログにも使いたいので、写真も取らせてもらえませんか。写真、使ってもいいですか?」
「はい。写真使ってもいいですよ」ということで、写真まで撮らせてもらった。

このような場合に、筋・骨格系で考えますと、胸椎のズレや胸肋関節の動きが悪いことが多いので、そこら辺を調整してみたのですが、どうもスッキリしないようです。
そこで、最近ではあまり使わないカイロのハードな矯正で、ボキボキッと矯正してみたのですが、それでも取れない様子でした。

実はこの方「潰瘍性大腸炎」もありますので、「あっ!」と思い大腸に目を向けて、六臓診で診ましたら、反応があるのです。
※ 六臓診とは、脈診の確認をしたり、診断が着きにくい時に使う診断法です。
そして仰臥になってもらい、下降結腸を軽く押圧してから、再び肩の痛みを確認してもらったら、

「あ、取れました。お腹が原因だったのですか?」と言うので、

「そうですね。肩には大腸経という経絡が流れているからねー」と返事をしたら、

「そしたら、肩が痛くなったらお腹を解せばいいのですか?」と言う。

さて困った。

潰瘍性というは、出血性疾患なので、下手に解すと出血させてしまうからです。
背部兪穴を使うなら、その心配はないのですが、腹部から直接大腸を刺激すると悪化させてしまう可能性が高くなるのです。

ですから私は、

「う~ん!」と唸ってしまいました。

すると、家庭療法に慣れているこの方が、

「ホカホカカイロで温めてはダメですか」と言う。

それなら大丈夫だろうと思ったので、

「そうですね。それなら多分大丈夫と思うのでやってみてください」と答えた。

大腸が炎症などを起していると、わかりやすいのですが、「潰瘍性大腸炎」がある方で、脈診でもわかり難かったので、患部の治療をしてしまったのです。
しかし、患部の治療でも取れない凝りというのは、多くは他に原因があり、その原因を整えないと治まらないのです。

今度の 臨床実践塾 では、そのようなやり方も含めて説明しますので、「迷いの少ない診断」が学べると思います。



このブログや当院へのお問合せやご質問は、下記のフォームからお願い致します。
この問合せやご質問でのお客様情報は、他への流用は一切ありませんのでご安心ください。


2017/09/17

長時間書き物をしていたら肘の内側が痛くなった (9月24日の臨床実践塾)

腕橈骨筋
    腕橈骨筋



円回内筋
    円回内筋


今度の 臨床実践塾 では、手技療法や鍼灸療法で、「ハリックマジック」の解説をする予定です。
「治る」には、異常個所を整える必要があり、再発しない状態を維持することができた時点で「治った」となります。

筋・骨格系では、解剖生理学を中心に説明した方がわかりやすいので、解剖生理で説明するつもりですが、解剖生理で説明しにくいものもあります。
鍼灸の経絡を使った治療法です。
たとえば、頭が痛いのに足に鍼を刺して治す。
腰が痛いのに手に鍼をして治す。
これは解剖生理を中心に勉強をしてきた人には理解できないことだと思います。

タイトルのような症状を訴えて来た方がいました。
筆で字を書く人に多く見られる症状です。
構造で考えると、腕橈骨筋や円内転筋に長時間力を入れたために、肘関節で、橈骨が前側にズレたことが原因と考えられます。

つまり、それらの筋肉が橈骨を前に引き寄せてまったのです。
オステオパシーのテクニックを知っている方はわかると思いますが、少しの力でも持続して力を入れると、骨が動いてしまうのです。
AKAしかり、クラニオセイクラルしかりで、最近流行りのソフトなテクニックは、全てその原理を使います。
※ エネルギー療法は別に考えますので、ここでは触れません。

それで、その患者さんの治療は、最初にコラボ鍼で、円回内筋を狙って、患側の肘から下4~5㎝の辺りにスキン鍼(皮だけに引っ掛ける鍼)をして、健側の筋肉に緊張を与えました。
つまり、「右腕を曲げると肘が痛い」と言っていましたので、左の肘を曲げ、私が抵抗を加えたわけです。

患者さんとしては、何をしているかもわからず、右肘が痛いと言ってるのに、左肘に力を入れさせるのですから、ちょっと不機嫌な感じもしました。
で、スキン鍼を抜いてから、

「どうですか? 痛み取れました?」と言うと、キョトンとしていました。

「いやいや、右肘の痛みは取れました~?」と言うと、やっと気が付いたようでしたが、それでも面白くない顔をしながら、右肘を曲げ伸ばしして、「あれっ?」という顔になり、今度は自分の手で抵抗を加えながら曲げ伸ばしをして、

「あら、痛くないですね。痛くないです」とやっと笑顔を見せてくれた。
そこで痛みが出た原因と治し方の説明をしました。「
治し方の説明は、
「長時間字を書いていると、腕の内側にず~~っと力を入れていますので、力の入った筋肉が骨を引っ張って、肘の関節を歪めてしまったのです。ですから歪んだ関節を元に戻すような治療をしたわけです」と説明しました。

ところが、他にも異常個所がありましたので、そこを治療している間に、再び肘に違和感を感じたようで、
「さっきのような痛みはないのですが、まだおかしい感じがします」と言うので、そのまま寝た状態で、肩甲骨や肩甲骨周囲の筋肉を動かして、筋肉の滑りをよくし、肘関節も少し動かしました。

そして再びテストです。
今度は私が抵抗を加えて肘を曲げてもらったのですが、もう痛みはないようでした。
「治りました。はい。全然痛くないです」と言う。

これは、肘を曲げる動作をして、抵抗を加えてみるとわかるのですが、肩甲骨や脊椎辺りまで緊張しています。
つまり、肘が痛いと言っても、筋肉の連鎖で背部や胸部まで緊張があるので、そこまで治療しなければならないということです。
この症状は、簡単な機能的な問題ですので、多分、この1回で治ったと思います。

参考のために、「腕橈骨筋」と「円回内筋」の説明を書いておきます。
上のイラストや、ここでの説明は、 筋肉ガイドさん からお借りしています。

腕橈骨筋:腕橈骨筋は、上腕骨の遠位端から、橈骨の遠位端へ走行する筋肉ですが、この一つの骨の遠位端から他の骨の遠位端に走る筋肉は、腕橈骨筋が唯一です。外側上顆から始まり手首に走る筋肉のうち、短橈側主根伸筋の障害で外側上顆炎が起きますが、この部位に付着している筋肉は、伸転筋が多いのですが、腕橈骨筋は、屈曲筋として働きます。また、主導筋ではなく、肘や手首に負荷が掛かるような動作において、補助的に活動する筋肉です。

円回内筋:円回内筋は、肘の内側から前腕の外側に付着しています。前腕の外側は橈骨です。橈骨のおよそ近位1/3~遠位1/4あたりに付着していますが、斜めに走行しているので、橈骨を肘の方向に引きつけて、更に屈曲させる方向に、力は働きます。結果として、肘の構造上、回内するのです。ゴルフをしていて痛める肘関節痛は、内側上顆炎が多いですが、この円回内筋の過使用も原因であることが多く、この筋肉をケアする事が、ゴルフ肘の関節痛を緩和する一つの治療手段となります。触診は簡単です。肘の内側を触診して、出っ張りを見つけます。ここが内側上顆です。他方の手で、ここを触診しながら、調べる側の前腕を回内します。すると筋肉が緊張することが確認できます。



このブログや当院へのお問合せやご質問は、下記のフォームからお願い致します。
この問合せやご質問でのお客様情報は、他への流用は一切ありませんのでご安心ください。


2017/09/08

手技療法と鍼灸治療 (9月24日の臨床実践塾)

甲状腺機能低下症の傾向があり、チラージンを飲んでいる方がいました。
尿路結石もあるとのことでした。
現在の症状は、左の腕があちらこちら痛いようです。
「あっちもこっちも」と言うものですから、痛い箇所を指で差してもらいました。

道1
    心経です

道2
    心経です

道3
    大腸経です

心経(心臓関係の経絡)に痛みが出ているのは、甲状腺の関係で心臓にも異変が出ているからです。
そして、大腸経にも異変が出ているのは多分、尿路結石で多少尿路にも炎症があり、それが大腸に波及して大腸にも炎症が起こっていると考えることができます。
或いは、尿路結石ですので、腎臓にも影響がありますので、腎臓の代謝が落ちたせいで、大腸の粘膜の機能が低下していることも考えられます。

ちなみに脈診では、腎と心包に虚があり、大腸は実ぎみでした。

これを筋・骨格系で調整するには、仙腸関節を整えて、肩関節を整えれば、肘関節も整ってくるので、痛みは和らぎます。
その方法が、カインド調整法というものです。
カインド調整法なら、バンザイの恰好をさせて、右足裏に比較的強い刺激を与えれば、左の肩関節から手関節まで整えることができます。

※この方の場合は、それで治まりましたが、治まらない時は、個別に肩関節、肘関節、手関節を調整します。

たとえば、この方の首の写真を撮ると、最初は右頸の付け根で右に曲がっていましたが、カインド調整法をした後は、下の写真のように、ほぼ真っ直ぐになっていました。

道4
首が右にズレた感じで傾いています。やらせではありませんよ。 v(^◇^)v

道5
   首の歪みはほぼとれました

しかし、それだけで終わると、再発が懸念されます。
理由は、この方の甲状腺とか結石などを考えると、わかると思いますが、そこの治療をしてないからです。
ですから、痛みが取れてから、鍼で甲状腺や尿路結石の治療をします。

この方は、手技療法で痛みを取りましたが、痛みを取るだけなら右の腎査穴に1本刺せば取れたと思います。
それが七星鍼法での一穴鍼法だからです。
※ 今回は、手技療法で痛みをとって、それから鍼灸治療をしたのですが、時間がない時は、鍼灸だけで十分治療できる症状です。



このブログや当院へのお問合せやご質問は、下記のフォームからお願い致します。
この問合せやご質問でのお客様情報は、他への流用は一切ありませんのでご安心ください。


2017/09/02

鵞足炎(がそくえん):前十字靭帯を損傷して去年の7月に手術


鵞足炎
傷はボルトを抜いた跡です。黄色い円で囲んだのは鵞足炎の出る場所


バスケをやっている女の子です。
タイトルのような経過で、今年の8月にボルトを抜いたそうです。
その後リハビリを続けているが、膝の内側が腫れていて、曲げると張っている感じがするということでやって来ました。

そこで、手技療法で膝の捻じれを取り、カインド調整法(最近韓発した七星手技療法)で足裏をクイクイクイとやったら、ほとんど違和感が取れました。
そして念のためにスタッフに筋膜リリースをしてもらいましたら、ほとんど症状は治まっていました。

しかし、手術跡の炎症がまだあるようでしたので、炎症を治めるために、八風と、顖前、百防、陰査穴に軽く鍼をして、その日は終了にしました。
そして、「次はどうしたらいいでしょう」と言うものですから、
症状はほとんど取れたのですが、ボルトを抜いたばかりなので、こじれたらこまると思い、1週間後に来てもらいました。

1週間後に来た時は、
「病院では“鵞足炎”と言われましたが、もう全然痛みはないです。」と話していました。
ですから、可動域を調べる検査をしたら、ほぼ問題ない状態でしたので、膝を軽く調整して、全体を整えるために軽い鍼をしました。
それで問題ないと思ったので治療は終了しました。


鵞足炎とは、上の写真の黄色い部分に痛みが出る症状です。
そこが痛むのは、大腿内側の内転筋群である縫工筋、薄筋、半腱様筋がそこに付着していて、「鵞鳥(がちょう)足で蹴られたところ」と覚えてください。

縫工筋、薄筋、半腱様筋に過緊張が起こると、下腿の骨(脛骨)が捻じられて、膝関節に負担をかけて炎症が起こるわけです。
膝の曲げ伸ばしや、膝から下を外側にひねる動作をしたときに、鵞足部分の腱、骨、腱と腱がこすれるので、炎症が起こりやすくなるわけです。

特に、バスケやサッカーのような足の捻じり運動が多いと、この症状が起こりやすくなりますが、マラソンなどでもよく起こっているようです。
ですから、治療としては、捻じれた膝関節を元にもどして、内転筋群(縫工筋、薄筋、半腱様筋)の過緊張を取ればいいわけです。

と言っても、それら内転筋群だけを治しても、鵞足炎は治りません。
何故なら、縫工筋の起始は上前腸骨棘の直下に、薄筋の起始は恥骨結合の外側縁に付着し、半腱様筋は坐骨結節の内側面に付着しているからで、その付着部に問題がある場合が多いからです。
つまり、骨盤の動きと直結しているわけです。

縫工筋・薄筋・半腱様筋
     縫工筋、薄筋、半腱様筋


ですから、鵞足炎を治すには、基本的に骨盤、仙腸建設、股関節、膝関節を調節しなければならないのです。
そして、捻じれ運動と関係しているので、多くが足関節まで歪みが波及しています。
ですから足関節部の調整も必要になってきます。



このブログや当院へのお問合せやご質問は、下記のフォームからお願い致します。
この問合せやご質問でのお客様情報は、他への流用は一切ありませんのでご安心ください。


2017/08/29

膝痛の急患治療の様子

膝痛
    膝の外側に注射痕の絆創膏が見えます


昨晩、「膝が痛くて歩けないので、早い日にちで予約をお願いします」とメールが入りました。
様子を聞くと、歩くのも大変なようで、職場までご主人が迎えに来てくれて、そのまま病院へ行ったらしいのです。
病院では「関節が狭くなっているのでヒアルロン酸を注射しておきましょう」とヒアルロン酸を注射してもらったそうです。

この方は、痛みに強い方なので、「相当痛いんだな」と思い、
「明日11時に治療院へ行きますので、12時なら治療することもできるのですが…」と返信したら、

即、「行きます」と返信が来ました。

それで、きょうの12時前に来られたのですが、歩くのがやっという感じでした。
問診もそこそこにして、脈を診たら少し脾虚があるぐらいで、特に臓腑の問題はないと診たので、「膝関節を捻ったみたいだな」と思い、先日の臨床実践塾で公開した「カインド調整法」というテクニックで治療した。

治療した、と言っても、仰臥に寝てもらい、足首を捉まえて足底に刺激を与えるだけなので、1分もかからない治療です。
そして、「はい。起きて痛みを確認してみて!」と言うと、起き上がりながら、
「あ、ましです。軽くなっています」と笑顔が見えた。

しかし、きのうからきょうまで痛みがあったのだから、そんなに簡単には治るはずがないので、再び仰臥になってもらい、膝を動かすと、やっぱり痛がっている。
そこで、足関節の動きもチェックしたら、足関節もズレているので、足関節を調整することにしました。
伏臥になってもらい、これも先日の臨床実践塾で公開した「伏臥での足関節調整法」を使って足関節を調整しようとしたら、結構痛がっていました。
そこで、脛腓関節の調整をしながら、膝関節の捻れを治める治療をしました。

関節に痛みがある場合、熱を持っていることが多々あり、そのようなときは、無理に関節を動かすと悪化させてしまう場合があるので、無理をさせずに、優しく治療するために、オステオパシーのテクニックを使って捻れを治めた。

それから、全経絡を整える鍼をしたのですが、膝関節の熱が引かない。
八風を使って熱を治めようかとも考えたのですが、病院で注射もしているし、注射痕の絆創膏もそのままでしたので、八風でその場を治めても、後で発熱する可能性があると考えたので、八風を使うのは止めました。

座位で脊椎診をした時に、本人は痛みもなにもなかったのですが、少し歪みがありましたので、その歪みもついでに取るつもりで、巨鍼を使いました。
すると、ばっちりです。

立って歩いてもらったら、
「はい、はい。大丈夫です。まだ痛みは少し残っていますが、問題ありません。これで大丈夫です」と、勝手に「終りモード」になっていたので、それで治療を終了しました。

カインド調整法も良かったのですが、最後に巨鍼で締めたのがかなり良かったように思われました。
痛みで来る急患の治療は、とにかく痛みを取ってあげなければならないので、患者さんも必死ですが、こちらも必死です。

先日の臨床実践塾の第二部は、明日にでも書いておきます。




このブログや当院へのお問合せやご質問は、下記のフォームからお願い致します。
この問合せやご質問でのお客様情報は、他への流用は一切ありませんのでご安心ください。