2017/08/01

夏に多い背中の痛みを治すには

   背部への七星配置
     七星論での背部への七星配置


「左の背中が痛いんです」と言う方がいました。(上図の「脾」の辺り)
脈診をすると、「脾虚」があった。
脾虚が出るときは、多くが他の臓器も弱化しています。
東洋医学で言う「脾」とは、膵臓を含む脾臓のことですが、胃も含めることがあります。
つまり、「脾虚」が出る時は「食欲不振」の場合も多いのです。

夏になると食欲がなくなる人も多いのですが、「食欲がない」もう一つの原因は、「呑み込むような食べ物を食べる」からです。

夏に元気な人を見ていると、「熱い物を食べる人」が多いようです。
中には、夏なのに「鍋物」を食べている人もいました。
それには驚いたのですが、その人はメチャクチャ元気が良かったのです。
逆に夏に元気のない人は、冷たい物を好んで食べる人が多いものです。

食べるのは個人の好みなのですが、治療に来た方には、温かいものを食べるように言います。
これは、マクロビオティックの考え方から出てきたものです。
暑い気候は陽性で、熱い食物も陽性ですので、熱い食べ物を食べると、体は熱くなって新陳代謝が挙がります。

しかし、暑い(熱い)外気に晒されながら、冷たい物を食べると、外気と体の間に温度差が出ます。
冷たい物は新陳代謝を落すので、臓腑の代謝も落ちます。
臓腑の代謝が落ちると、筋肉の力も落ちてしまいます。
ですから、歩くのも億劫になってきます。
億劫だから歩かない、歩かないからさらに代謝が落ちるという悪循環を繰り返します。

本来なら、このような症状の治療法は、今話した食べ物を考えるのが根本的な治療になるのですが、食べ物のことはなかなか聞いてもらえない場合が多いものです。
しかし、「食べて生きている」のですから、体に悪い食べ物を食べ続けると身体は壊れてきます。

中医学では(私は中学の専門ではありませんが)、病の原因を大きいく四つに分けています。
① 陰陽失調
② 邪正盛衰
③ 気血失調
④ 臓腑経絡の失調

陰陽失調とは、体の正常な陰陽は均衡しながらバランスを保っていますが、何らかの原因で陰陽の均衡が崩れると、それが原因となって発症するわけです。
この場合の治療は、体の陰陽のバランスを均衡させる治療法を選びます。
上の食物でバランスを取る方法もそれに当ります。

邪正盛衰とは、病因となる「邪氣」と体を守る「正氣」のバランスで、邪が正より強くなった状態で、実証(精気が強すぎる状態と考えてください)と虚症(精気が弱い状態と考えてください)の二つに分けて考えます。
この場合の治療は、鍼灸や漢方を使うほうが賢明で、具体的には、「実」なら「寫法」の鍼灸か漢方の「寫薬」を使い、「虚」なら「補法」の鍼灸や、漢方の「補薬」を使います。

気血失調とは、氣(血液から作られると考えられています)と血の密接な関係が乱れて、氣が血に、あいは血が氣に影響を与えて発症する状態を言います。
この場合の治療は、氣や血の巡りを良くする鍼灸法や漢方で「疎通薬」や「補充薬」を使います。

臓腑経絡の失調とは、中医学では「体は氣で構成されている」と考えていて、経絡とは氣・血の運行経路と考えられているので、その機能が失調すると氣血の流れが滞って発症すると考えています。
この場合の治療は、滞った経絡の流れを良くするための鍼灸や、五臓六腑の機能を整える漢方薬を使います。

さてでは、この方の治療をするには、どのような治療がいいのでしょうか。
まず、陰陽失調が考えられますので、食事に気を付けてもらいます。
次に、「脾虚」が出ていますので、簡単に考えると「脾を補す」のですが、七星論で考えると、この場合の虚は「肝実(肝氣が旺盛)」が原因なのか、「肝虚(肝氣が虚衰)」が原因なのかで治療法が変わってきます。

この方の場合は、足の肝経にも軽い痛みが出ていましたし、脈で診ても肝虚が診られてので、「肝を補す」治療をしました。
それで、その場では治まったのですが、その後はその人の養生に関わってきます。
つまり、食事に気を付けることができるかどうか、です。
無責任なような言い方に聞こえるかも知れないのですが、そのほうが早く、安く、確実に治せるのです。(^_^;)




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2017/07/30

若い人の五十肩症状が増えてきました……。 一穴整体鍼とC-1(頚椎1番)の矯正法


吉田1

何もしないとこれぐらいしか挙がりません


吉田2

一穴整体鍼をしたらこれぐらい挙がりました


吉田3

頚椎1番を調整したらこれぐらい挙がりました


最近若い人の五十肩(肩関節周囲炎)が増えてきた気がします。
五十肩ではないにしても、20代30代40代と、このところ「腕が挙がらない」と訴える若い人が多いのです。

この方も若いのですが、この方が初めて当院に来たのは、20年ほど前なので、今でもこの方を26~27才と見てしまいます。
ですから、この方の症状を見て、「何で?」と思ってしまいました。

でも、気が付いたらこの方は40代になっていました。(^_^;)

スタッフに問診をしてもらったのですが、「肩が痛い」と書かれていたので、ブースに入り肩を挙げてもらったら、「ぷっ!」と噴出してしまった。
ペンギンよりはマシだが、腕が90度ぐらいしか挙がらないのです。
「あ~あ」と言いながら、一穴整体鍼をしたら肩はだいぶ挙がり、2番目の写真ぐらいまで挙がるようになりました。

ペンギン

なはは、ごめんなさいねー、ペンギンの腕と比べて (^_^;)


※ 一穴整体鍼とは、一つのツボに1本の鍼をして、あちらこちらの筋骨の歪みを整える方法で、最近開発した方法です。(七星鍼法の奥義に入れました)

しかし、「胸鎖乳突筋も張る」と書かれていましたので、頸椎に歪みのあると判断した。
そこで、C-1(頸椎1番)を診たら、C-1が左方変位していたので、C-1(頸椎1番)を手技で調整したら、3番目の写真ぐらいまで挙がりました。

ほんとは、「一穴整体鍼」だけで治したかったのですが、C-1矯正を一穴整体鍼で調整するのは難しいので、手技療法でC-1を調整したわけです。
C-1は鍼でも調整できるのですが、うつ伏せになってもらわなければならない場合もありますので、手間を省くために手技療法を使ったわけです。

頚椎1番の診断と調整法は、文章で書くとわかり難いのですが、とりあえず書いてみますので参考にしてみてください。

※ C-1(頚椎1番)の歪みを診るには、左右の肩の高さを比べて、左の肩が下がっていれば、多くがC-1の左方変位です。詳しく診るには、仰臥になってもらって、頸椎を探り、後頭骨のすぐ下にあるのが頚椎2番ですので、頸椎2番が右に飛び出ているなら、頸椎1番は左方変位しているのがほとんどです。さらに詳しく診るには、乳様突起のすぐ後ろから頚椎1番を触ることができますので、左右から軽く押して左方変位か右方変位かを触診で確認します。

※ そしてC-1の矯正方法はいろいろありますが、一つの方法を紹介しますと、C-2(頚椎2番)を持ち上げるようにして、反対側の胸鎖乳突筋後方から、C-1(頚椎1番)を押し込むようにします。
しかし、このテクニックはちょっと難しいので、慣れてない人は無理しないでください。C-1を狂わせてしまうと、後が面倒だからです。

※ C-1矯正に慣れてない方には、「頚椎鍼」というのを使ってもらうようにするのですが、「頚椎鍼」というのは、一穴で頚椎を整える方法で、これも七星鍼法の奥義に入れましたので、臨床実践塾でしか教えていません。
「だったら書くなよ」と言われそうですが、臨床実践塾に参加している先生方もこのブログを見ていますので、その方々への配慮として書かせてもらいました。




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2017/07/29

一穴整体鍼はほんとにすごいと思う (8/27の臨床実践塾予告)

整体鍼・山北1  整体鍼・山北2
   ビフォー  → → → → → アフター


一穴整体新を考えたのは、ほんの2~3ヶ月前です。
最近では、他の鍼法を使うのは時間がかかるので、ついつい整体鍼を使ってしまいます。
ただ、詳細をここに書くと、臨床実践塾に参加されている先生方に申し訳ないので、ここでの詳細は書けませんが、パフォーマンスだけは紹介できます。

たとえば、上の写真は昨日撮影したのですが、左の上で挙げると上の写真の角度で引っ掛かっていたのですが、整体鍼をした後は、スッと挙がりました。
たった一つのツボに鍼を1本刺すだけでこうなるのですから、鍼灸師なら今日も衣深いのではないでしょうか。

そのような臨床は、実際に見るほうが勉強になりますので、次回の8月27日の臨床実践塾・第一部では、大阪医療学園で教えている矢田部先生にお願いして、「臨床報告」という形で実技公開を行なうことにしました。

矢田部先生は、森之宮医療大学でも非常勤講師をしていましたので、まとめるのが上手いし、相手が何を求めているのかを察知して、機転の利いたことができます。
ですから、次回の実践塾でも面白い内容を公開してくれると思います。

たとえば、スカルセラピー(頭蓋四肢矯正療法)は、個人的に教えたことはないのですが、矢田部先生は、傍で見ながらメモを取り、そのメモを見ながらスカルセラピーを熟していました。
そして、最近の臨床では、指が曲がり難い患者さんがいたのですが、スカルセラピーと指への筋膜リリースで、指が曲がるようにしてくれたのです。

勿論、この一穴整体鍼も既に把握していて、「治って当然」という顔をしながら整体鍼を熟していました。
そして、コラボ鍼も、おそらく把握しているに違いない。
私のやることがなくなりそうです。(^□^*)

ですから、私はもっと即効性があり、治療効果が持続する治療法を考えてセミナーに対応しなければなりませんので、今、その準備をしています。
今度の実技も、「ええーっ! あははは、ええーっ? マジですか?」と言うのを考えていますので、ご期待ください。

前回の「瞬間矯正法」は、ほんとに1~2秒での矯正法でしたので、「見てもわからない」というものでしたが、今回は10秒ぐらいかかりますので、見たらわかると思います。
しかし、もっと面白い発見があれば、そちらも紹介したいと思います。




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2017/07/28

労逸(ろういつ)や安逸(あんいつ)の診断は誤りやすい

筋軟弱
安逸の人の筋肉はフニャフニャと軟らかくて湿った感じがする


『人体惑星試論奥義書』のp203~204に、「労逸」と「安逸」について書いたのがあります。

労逸を簡単に言うと、体力・脳力・精力(房事)が過ぎれば病気になるということです。
体力を使い過ぎると、気血が消耗し肉体疲労や精神披露が出て痩せてくるというわけです。
脳力を使いすぎるというのは、心配事など長続きすることで、これを現代的に言うと「脳疲労」になるのではないかと考えています。
房事というのは、過剰なセックスで精気を失うことで、何事も「そこそこに」と考えたほうがよさそうです。

さて、次の「安逸」ですが、これは長期に亘って運動不足が続いたときに出て来る症状で、歩行時の肢体が軟弱で頼りなく、無気力感に苛まれ、病院へ行っても原因がわからず、治療院を渡り歩く人は多いものです。

最近2人ほど「安逸」と思われる患者さんが来ました。
お二人とも、主訴は「腰痛」でしたが、「安逸」の患者さんは、次々と訴えることが違ってきます。

それは、筋肉が軟弱になっているので、あちらこちらの関節が「ガタツイタ感じ」になっているからです。
こちらを治せばあちらが悪くなり、あちらを治せばこちらが悪くなり、という事を繰り返します。

「安逸」は筋肉の軟弱でも判断できるのですが、「勤め人」の場合は、判断を誤ってしまう場合があります。
と言うのは、勤め人の場合は、出勤、会社での業務、退社というように、体を動かさなければならないので、安逸になるのは少ないからです。

ところがところが、勤め人でも、こういう方がいました。
① 会社が歩いて10分ほどだが自転車で出勤している
② 会社ではほとんど動かなくていい
③ 退社ももちろん自転車で通勤している
④ 買い物も自転車ですぐのところへ行く

私は、この状況を聞くまで、「安逸」というのは考えていませんでした。
なぜなら、勤めているなら家から駅までと、駅から会社までは当然あるいていると考えていたので、運動は充分とは言えなくても、それなりに動いていると考えていたからです。

しかし筋肉や関節が軟弱なので質問をしてみました。
「ところで、運動なんかはしているのですか?」

「いいえ。だって先生が、腰が痛い時は運動を避けた方がいいと言っていましたよね」

「ああ、腰が痛い時は無理に運動をしないほうがいいですね」

「ですよね。だからぜんぜん運動はしていません」

「そうか。じゃ~、家から駅まではどれぐらい歩くのですか?」

「会社は、歩いて10分程度ですが、自転車で通勤しています」

「ええっ? じゃ~ほとんど歩いてないんですか?」

「はい。買い物も自転車で行くしー」

参りました。
完全に「安逸」です。
ですから、この方は5年以上いろいろな病院や治療院を渡り歩いたのです。
30代の若い方なので、想像もしてなかったというのが私の弁解です。

この方の話を聞くまで、「安逸」を入れてなかったことを深く反省させられました。
ですから、今後は歩いて通勤し、買い物もできるだけ歩いていくようにしてほしい、とお願いしておきました。
多分、この方は、それで治ってしまいます。

いや、治ります。



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2017/07/27

腰痛を胃経で軽くする方法とは。 臨床実践塾での実技解説

胃経で調整
ズボンを引きずり降ろしているわけではありませんよ。(^_^;)


先日の臨床実践塾では、ほんとにいろいろなことをやりましたので、受講者の方々は、多分こんがらがったのではないでしょうか。
ですから、説明不足と思われた部分をちょっと説明させて頂きます。
そして、FAT(エネルギー療法)の訓練もやるつもりでしたが、それもできませんでした。

先日のセミナーでは、「胃経で腰痛を治す」という実技をお見せしましたが、急いで説明したので、わかり難かったと思います。

少し付け加えたいので、ここで書かせて頂きます。
軽い腰痛がある時に、大腿部の胃経に凝りのある人がいます。
そんな時には、その凝りを解せば腰痛は軽くなります。
やり方は、上の写真のように親指で解すだけです。
構造や治療部位に関しては、下のイラストを参考にしてください。

大腿直筋
図で示した大腿直筋の外側を解す

これは、大腿直筋の起始が下前腸骨棘、則ち寛骨臼上縁に付着するからです。
つまり、骨盤が前に引っ張られた状態になると、腰に負担が掛かり、腰痛が出てくるわけです。
ですから、その負担を和らげてあげれば、腰痛が軽くなるのです。
腰痛はないと思っている方でも、試しにその部を解してみてください。
腰が軽くなっているのがわかるはずです。

胃経が緊張していると、常に骨盤が前に引っ張られた状態ですので、常に腰も緊張していることになり、腰にも負担がかかっていることがわかります。
ですから、胃の弱い人は、腰も弱くなり、腰椎後弯にもなりやすいのです。

骨盤が前に引っ張られているのに、何故「腰椎後弯」かと言うと、骨盤が前に引っ張られ過ぎると、腰椎を支える筋肉が疲労を起こして、骨盤と一緒に前に曲がってしまうからです。(腰椎が前に曲がったのが腰椎後弯)
ヒトは、疲労が起こると、上肢は回内し(内側に捻れる)、腰部は丸くなります。
つまり、胎児のスタイルになってくるわけです。

胎児の場合は、羊水というクッションの中に居て、浮いた状態ですので、重力には強く左右されませんが、生まれてきて、立って歩くようになると、重力に左右されます。
そして、骨盤が前に引っ張られると、それに抵抗するように、自然に、腰を伸ばそうとしますので、腰に負担がかかってくるわけです。

しかし、この治療法では、根本的な原因は追究していませんので、どちらかというと家庭療法に入れたいと考えています。
ただ、家庭療法であっても、即座に対応するには便利な方法ですので、試してみてください。
また、胃経をきっちり解しておけば、それなりに腰痛も楽になりますので、プロの方々も試してみる価値はあります。

上の写真の方は、空手道場もやっていて、空手も教えていますので、それが原因かどうかはわかりませんが、右の大腿胃経に凝りがあり、私が押したら、ちょっと太ももを後に引きました。
多分、空手の練習で右足に力を入れるのが多いかと思います。




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