2017/09/06

立ったまま体を後に反らすことができないときの原因は → 9/24の臨床実践塾

後屈1
    後に反ると肩甲骨の内側が痛くて後に倒せない

後屈2
    ここを押すと「気持ちいい」と言いますが…


体の機能は、原因と離れたところに症状を現わす能力があります。
たとえば、上の写真のように、立位で後に反ろうとした場合、肩甲骨の内側や首の付根に痛みが出たとします。

その場合、どこに原因があるかを考えないで治療する場合は多分、肩甲骨の間や首の付根を解すかも知れません。
しかし、それをするとさらに筋肉は凝ってしまい、時間とともに症状を悪化させる可能性があります。

そして仮に、
「左の太ももの付け根にも凝りがある」と言われたら、そこも解してしまう可能性があります。
さてしかし、それで後に反ることができるのでしょうか。
ちょっとは楽になるかも知れませんが、「治る」までは至らないと思います。

鍼灸院にこのような症状を訴えて来る人がいましたら、百会から後ろに向かって5mm程度鍼をしてみてくいださい。
面白いように後に反る事ができるはずです。
しかし、治ったではありません。

その刺鍼法は七星論になるのですが、人体の中央背面を流れる経絡に、督脈というのがあり、督脈は「総括」という意味もあるので、百会に刺鍼することで督脈の流れをよくすることができるので、楽になるのです。

ここで、鍼灸学生なら、
「督脈は下から上に流れるのに、なんで督脈から後ろなんですか?」という質問をするかも知れません。
何故なら、経絡流注に沿って鍼をする事を「補」と言い、逆らって鍼をすることを「寫」というからです。

「補」とは、エネルギーを補い、「寫」とはエネルギーを抜くと考えてください。
そして、七星論では「督脈は百会から背面に流れる」と考えますので、百会から後ろに向かって鍼をすると言うことは、「補法」になるわけで、督脈のエネルギーを補った事になります。

督脈のエネルギーを補うと、全ての陽経のエネルギーの流れが良くなります。
その結果、背部や大腿の筋肉もしなやかになり、凝りも取れてきますので、後ろに反りやすくなるのです。

では、左大腿部の凝りはどうなのかというと、ここの凝りも和らいできます。
何故なら、そこは「太陽膀胱経」という陽経の経絡が流れているところで、最大の陽経である督脈から「枝分かれ」した経絡ですので、エネルギーの流れがよくなりやわらいでくるのです。

ですから、「後に反ることができない」と訴えて来た患者さんがいたとすると、百会に1本鍼を刺すだけで症状は緩和させることができるわけです。
これが「ハリックマジック」と言われるテクニックです。(^_^;)
でも、それだけで治療を終わると「詐欺だー!」と言われかねません。

ネットに掲げられたテクニックには、症状が軽くなっただけで「治った」と表現しているのも少なくないようで、それだけで治療費がもらえるなら、私は大金持ちになっていたかも知れません。(笑)
そこで、考えるのが、「ほんとうの病気の原因」です。

実際問題として、治療で一番難しいのは「診断」です。
ですから、検査や診断もせずに、

「肩が痛いときはこうして治せ」

「腰が痛いときにはこうして治せ」

「膝が痛いときにはこうして治せ」

という類の治療法を学ぶのは、あまり好ましくないと考えています。

病因を臓腑に求めていないと、精神論に走って患者さんを責めたりする場合がありますので、ちゃんと臓腑診断をしたほうがいいと考えているのです。
そうすれば、確実に再発を防ぐ事ができると考えているからです。

私はいくつもDVDを買って勉強していますが、最近流行りの治療法には、臓腑に絞るという概念はあまりなく、筋・骨格系が主流のようです。
そして、「症状が軽くなればそれでよし」としているものも少なくありません。

で、上の写真の方の場合は、どう診断するのかということになるのですが、脈診や脊椎診などをした結果、「水=腎・膀胱」と診断することができます。
(診断に慣れた人なら、脈診などはしなくても「水」と診断できるはずです)
今度の臨床実践塾では、「診断の違いによる治りの差」と言いますか、「流行りの治療法と再発させないための治療法」の実技と解説をしてみたいと思います。



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