2017/05/10

鍼灸治療と手技療法の整合 (連載7)(5月28日の臨床実践塾の準備)

後完骨

       乳様突起と後完骨



鍼灸治療と手技療法を整合することは、相互の治療法の理解を深めることになるはずです。
たとえば、頸椎1番の矯正はなかなか難しいのですが、頸椎1番と頭蓋の位置、そしてどこで頚椎1番の歪みを確認すればいいのか、ということを考えれば、胸椎1番の矯正方法を考えることができます。

手技療法では、直接頚椎1番を動かす方法を用いますが、鍼灸では後頸部にあるツボに刺鍼して頚椎1番を整えます。
ただ、鍼灸での矯正は、一般的に「頚椎の矯正」という言葉は使ってないようで、何らかの症状がある場合は、ツボの名前で示しています。

それは、もともと鍼灸に骨格矯正という概念がなかったからだと思います。
ですから、頸椎の歪みの診断もなかったわけです。
頚椎1番の矯正に使われたツボは、上の写真にある「後完骨」と、瘂門、風池などを考えることができます。
つまり、後頭下部のツボです。

私は変な性格があり、「手技療法で頚椎1番を整える」という話を聞くと、「手技療法の理論を使って鍼灸で整えることはできないだろうか」と考えてしまうのです。
さらに七星論を考えてからは、全て「七星=宙・水星・金星・地球・火星・木星・土星」に当てはめて考えるようになりました。

たとえば、この頚椎1番の問題でしたら、頸椎1番は「水」になるので、遠位にある「水」を探し、遠位の「水」で変化が出るかどうかをテストします。
そうすると、足の小趾が水になりますので、足の小趾に刺激を与えてみるのです。

最初は手技で刺激を与えますが、ほぼ確実に矯正できるとなると、鍼灸を使います。
鍼灸の刺激は、長期間残りますので、矯正した後の持ちがいいのです。
そして、同じような理由で、足の小趾に異変があると、頸椎1番で調整することもできるわけです。

当院で、私がマジックのような治療をするのは、基本的に七星論での解剖を利用しているのです。
ただし、「触らずに」とか「指を触れただけで」と説明してあるのは、エネルギー療法を使っています。

ですから、5月からの臨床実践塾では、一部位や一つの症状を治すときの、手技療法と鍼灸療法を解説していきます。
臨床実践塾を12年やってきましたが、これまでは鍼灸は鍼灸、手技療法は手技療法というように分けて説明してきましたが、対象がヒトの体ですので、今後は鍼灸と手技療法を混合して行なっていきます。

さらに鍼灸では、経絡という面白いネットワークを使いますので、これまた不思議な変化を出すことができるのです。
たとえば、これは七星論独自の手法ですが、代謝の悪い人の頭部2穴に鍼をしておきますと、時間と共に代謝が上がり、多くの症状は消え、元気が出てきます。

で、それを手技療法ではどうするかというと、そのツボに刺激を与える方法を考えるわけで、それを考える事ができたら、鍼灸のような治療効果を出す事ができるわけです。

つまり、ここでの問題は「理論」です。
理論無くして考える事はできません。
「腰が痛いときには、ここがこうなっているから、こうすればいいのだ」という解説が必要だと思うのです。
そのように説明できるなら、別の治療法も考えることができるからです。

最近の臨床で話をすると、腰痛の方が2人いました。
一人は、薬のせいだと思いますが、「右の腰が痛い」と訴えていました。
そして、左肩にカバンを担ぐと痛みが出て来るというのです。
これは、左肩にカバンを担ぐと、左肩が自然に上がってしまいます。
その結果、右肩が下がり、右背が縮み、右の骨盤が引っ張られてしまい、痛みが増してくるわけです。

もう一人の方は、陰性食(砂糖・果物・酢の物・ビール)を摂り過ぎたと思われる方で、仙腸関節が痛いと言います。
そして、右の仙腸関節が治まったら左の仙腸関節が痛くなる、というわけです。
これは、腹部が冷えて、新陳代謝が上手くいってないと考える事ができます。

というのは、日本人の体温は平均で36.5度と言われます。
しかし、これは表面の体温であって、深部体温ではないのです。
深部の体温は確か38度ちょっとあったと覚えていますが、深部の体温が下がると、新陳代謝が落ちてしまうので、代謝が悪くなり、それが原因で障害を起すわけです。
とりわけこの方の場合は、仙腸関節の動きが悪くなるという障害が出てくるわけです。

ですから、こんな場合の緊急処置として、下腹を温めて代謝を起させる方法を考えます。
具体的には、ショウガ湯を作ってもらい、それにタオルを浸して絞り、そのタオルを下腹に当ててもらう方法を電話で指導したのですが、それで痛みは軽減されたようです

こんな治療方法を説明しながら、実技講習を進めていく予定です。
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