2017/07/28

労逸(ろういつ)や安逸(あんいつ)の診断は誤りやすい

筋軟弱
安逸の人の筋肉はフニャフニャと軟らかくて湿った感じがする


『人体惑星試論奥義書』のp203~204に、「労逸」と「安逸」について書いたのがあります。

労逸を簡単に言うと、体力・脳力・精力(房事)が過ぎれば病気になるということです。
体力を使い過ぎると、気血が消耗し肉体疲労や精神披露が出て痩せてくるというわけです。
脳力を使いすぎるというのは、心配事など長続きすることで、これを現代的に言うと「脳疲労」になるのではないかと考えています。
房事というのは、過剰なセックスで精気を失うことで、何事も「そこそこに」と考えたほうがよさそうです。

さて、次の「安逸」ですが、これは長期に亘って運動不足が続いたときに出て来る症状で、歩行時の肢体が軟弱で頼りなく、無気力感に苛まれ、病院へ行っても原因がわからず、治療院を渡り歩く人は多いものです。

最近2人ほど「安逸」と思われる患者さんが来ました。
お二人とも、主訴は「腰痛」でしたが、「安逸」の患者さんは、次々と訴えることが違ってきます。

それは、筋肉が軟弱になっているので、あちらこちらの関節が「ガタツイタ感じ」になっているからです。
こちらを治せばあちらが悪くなり、あちらを治せばこちらが悪くなり、という事を繰り返します。

「安逸」は筋肉の軟弱でも判断できるのですが、「勤め人」の場合は、判断を誤ってしまう場合があります。
と言うのは、勤め人の場合は、出勤、会社での業務、退社というように、体を動かさなければならないので、安逸になるのは少ないからです。

ところがところが、勤め人でも、こういう方がいました。
① 会社が歩いて10分ほどだが自転車で出勤している
② 会社ではほとんど動かなくていい
③ 退社ももちろん自転車で通勤している
④ 買い物も自転車ですぐのところへ行く

私は、この状況を聞くまで、「安逸」というのは考えていませんでした。
なぜなら、勤めているなら家から駅までと、駅から会社までは当然あるいていると考えていたので、運動は充分とは言えなくても、それなりに動いていると考えていたからです。

しかし筋肉や関節が軟弱なので質問をしてみました。
「ところで、運動なんかはしているのですか?」

「いいえ。だって先生が、腰が痛い時は運動を避けた方がいいと言っていましたよね」

「ああ、腰が痛い時は無理に運動をしないほうがいいですね」

「ですよね。だからぜんぜん運動はしていません」

「そうか。じゃ~、家から駅まではどれぐらい歩くのですか?」

「会社は、歩いて10分程度ですが、自転車で通勤しています」

「ええっ? じゃ~ほとんど歩いてないんですか?」

「はい。買い物も自転車で行くしー」

参りました。
完全に「安逸」です。
ですから、この方は5年以上いろいろな病院や治療院を渡り歩いたのです。
30代の若い方なので、想像もしてなかったというのが私の弁解です。

この方の話を聞くまで、「安逸」を入れてなかったことを深く反省させられました。
ですから、今後は歩いて通勤し、買い物もできるだけ歩いていくようにしてほしい、とお願いしておきました。
多分、この方は、それで治ってしまいます。

いや、治ります。



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