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2018/06/07

スタッフ講習:足首の痛みを分析する (連載2)

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足首がいたい時にも股関節・仙腸関節・脊椎から整えるといい



仮に足首が痛いという患者さんが来た場合、一般的には「捻挫」などを疑うと思います。
しかし、患者さんが「捻挫の記憶がない」と言った場合は、どのように考えるのでしょうか。
どこかにぶつけたとか、気付かないうちに足首を捻じっていたとかと、何らかの「表面に見える原因」を探そうとするのではないでしょうか。

それとも、一般的な捻挫同様に距腿関節や距腿下関節、およびその関連筋や腱を調整するのでしょうか。
そして、関節を調整しても痛みが取れない場合は、どのように対処するのでしょうか。

しかしここに、一つの別の考え方があります。
体というのは、いろんな連携があり、意外なところに原因がある場合も少なくないと考えるのです。
膝関節、股関節、仙腸関節、腰椎、それらに関わる筋肉や腱のゆがみ。
そして、それらと関係する臓腑のひずみ。

そのような関連をわかりやすく説明するために、裏付けとなる実験を繰り返し、誰がやっても同じ結果が出せるように研究してきました。
そこから、各部への七星配置というのが生まれてきたわけです。
その配置を見ると、どの部位が、どの臓腑と関係しているかがわかるようになっています。

そして、裏付けをするための実験課題として、

①治療効果を客観的にわかるようにする

②一人のモデルで何度もテストでできるようにする

③誰がやっても同じ結果が出せるようにする

④短時間で終われるようにする

等々を考えながら実験を繰り返し、それを「特別講習」としてスタッフに教えてきたのですが、その講義を受けたスタッフと受け手ないスタッフでは、ちょっと差がありました。
つまり、ツーカーで通じるかどうかの問題です。
当然、講義を受けた人は、その後の診断や治療法も理解が早かったのです。

最初に教えたのが「経絡筋力テストの実技」で、これは今でもよく使う「検証用のテスト法」で、鍼灸学校でも教えました。
我々は、このテストを考えたおかげで、人体各部のつながり、経絡の確認、他の文献に書かれた理論や、治療効果の確認などを試すことができ、一気に理論構築を進めることができたのです。

具体的な、経絡筋力テストの意義と課題としては、
たとえば、
・鍼灸の基本である「補寫」テクニックの検証と実態。

・身体各部と臓腑の関係を確認

・治療効果の持続時間の検証

・効果的なツボの選択と検証

・古典や治療理論の検証

・脈位と脈診の比較検討

・鍼灸理論や実技で述べられている理論や実技の検証

その他にも、食物と臓腑の関係を調べ、個人の体に合った食物の選び方などを調べることもできます。

さて、足首の問題に戻りますが、足首を七星論で診ますと「地=心包・三焦」になります。
ということは、心包や三焦がおかしくなっても足首に異変が起こると考えることができるわけです。

と、そのようなことを考えながら、距腿関節や距腿下関節、およびその関連筋や腱も、左右比較しながら診ていくわけです。
そしておかしな部位があれば、カイロや筋膜、およびオステなどで調整するわけです。

ところが、それでも治らない人がいます。
股関節や仙腸関節などに原因のある人が多いようです。
その時は、股関節や仙腸関節を調節します。

しかし、それでも治らない人がいます。
心包や三焦に問題がある人です。
その場合は、心包経や三焦経の筋力はかなり落ちていますので、多分、すぐにわかります。
(その他にも診断法はあるので、他の診断法でもわかります)

そこまでくれば、後はどのように治療するかだけですので、各自が得意とするテクニックで治療するわけです。
ここで言いたいのは、「足首の痛みの原因はこれだ!」などと決めつけないで、七星論で示す「七星の各部への配置」も利用して、いろいろな検査法や診断法を行ってほしいということです。
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