2017/06/04

肝臓が腫れていますよ!!!

肝臓の腫れ1 肝臓の腫れ2

左の写真に体の線だけをなぞって、その線だけを右にイラストで示しました


肝臓の腫れた状態がわかりやすい患者さんが来られました。
許可はもらってあるので、問診をした通りに書いておきます。
以下がカルテに書きこまれた内容です

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①ちょっと背中と腰が突っ張って、ぎっくり腰になる前ぶれのような、ピリッとした痛みが走る。

② 朝起きたとき、目を開けると、景色が揺れていることがある。
横になった状態で上下に揺れる。

③ 引っ越してから、ギィーっと歯ぎしりをするほどのイライラが続いている。

④ あるはずの物がない時など、探さなくなってきた。

⑤ 最近アイスクリームを食べてしまう。
1日1個と決めているけど…。

⑥ お腹は空くけど、食べ始めたら食べられない。

⑦ このイライラを止めたい。 (特に家族にイライラする)
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このカルテを読んで、どの臓器が原因かわかった人は問診だけで診断の出来る人です。
というのは、上の写真を見るとわかると思いますが、右横腹がポコッと腫れています。
この部分は肝臓の状態が現れやすいところで、凹んでいる人は多いのですが、腫れている人は少ないのです。

その部分が腫れている患者さんで、深く記憶に残っている人がいます。
その方は、体調が良くないと思うと、親しい医師が経営する病院へ行って、「ビタミン剤を打ってくれ!」と点滴でビタミン剤を打っていたという方です。
その方の肝臓は、上の写真よりもっとすごくて、私はその時「高栄養でこんなになるのか。恐いなー」と考えたのを今でも思い出します。

いわゆる、これが「実証」というやつですが、脈診での実脈とはちょっと違います。
脈診での実なら、脈診をするとすぐわかるのですが、脈に現れない(現れにくい)変動が、「臓腑が腫れたり凹んだり」する場合もあるわけです。

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参考:実証とは
実証とは「病邪の実」のことで、病邪の存在(六淫・-食積)とこれにともなう病理的反応状態を指します。体の抵抗力すなわち正気が十分強いときには、病邪に対して強い反応を示しますので、あきらかな実証を呈します。
ただし、もう一面で、正気が衰退したために体内に血瘀・痰飲・水腫などの産物が生じて、あらたな実証を発生することもあります。

実証が発生する原因としては,
 ・細菌・ウイルス.在どの病原微生物の感染や寒冷・暑熱・乾燥などの物・環境の変化による障害
 ・暴飲暴食・美食の過多・刺激物の摂取過剰・不潔な飲食物の摂取など
 ・寄生虫・外傷など
 ・精神的ストレスや感情の抑うつによる自律神経系の過緊張や過亢進(肝結・肝欝化火)
 ・体内の機能失調や機能低下によって生じた病理的産物(痰飲・水腫・血瘀)が考えられます。
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肝臓がこのように腫れますと、脇腹を軽く叩くだけで肝臓部に響いてきます。 この診断法を七星論では「六臓診」と呼んでいます。
※ 六臓診:肝、心、脾、肺、腎、心包の体表部位に現れた反応を検査する方法

この方は、肝臓がパンパンに腫れていますので、カルテに書かれたように、「食べ始めると食べられない」という食欲減退があっても不思議ではありません。
肝臓が、「それ以上モノを入れないでくれ」と叫んでいるわけですので、それ以上モノを入れないほうが賢明なのです。。

ですから、この症状を治めるには、肝臓にこれ以上モノを入れないようにするために、余計なモノを食べないようにします。
たとえば、食事は穀物(米、麦、粟、稗、蕎麦)と、漬物と味噌汁だけにするとかですが、全体量を抑えるために、水をたくさん使って調理する「おかゆ」などにするというのもいいと思います。

しか~し、肝臓がこのようになる人は、食べるのが好きな人が多いので、中には、「炊き込みご飯はダメですか?」とか、「2食はそのように食べて、1食は好きなモノを食べるというのはダメですか?」などと、いろいろな質問をしてきます。
こちらは、この症状を早く治めるための話をしているのに、相手は「如何にしたら食べられるか」に集中して質問してきます。(笑)

勿論、理由を説明して「ダメ!」と言います。 (^_^;)

治療としては、最初に全経絡を整えるためと、後の巨鍼による変動そ防止するために、全陰査穴(肺査穴、心包査穴、心査穴、腎査穴、肝査穴、脾査穴)に刺鍼します。
その後に、肝臓の代謝を上げるために巨鍼を使います。
(この症状の場合は巨鍼に勝るものはないと考えています)
巨針で右膈兪から大腸兪辺りまで透刺するわけです。
これで十分です。
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