2018/02/18

歩き出すと左のお尻が痛い(2/25 臨床実践塾の準備)


下行結腸の触り方



第四生泉水穴へのお灸



2月25日の臨床実践塾では、潜伏した体の歪みの検出方法と矯正方法の原理と実技を解説しますが、原理がわかれば、診断と治療に悩むことがなくなります。


タイトルのような症状を訴えて来た方がいました。
最初は「梨状筋症候群が出たかな?」と思ったのですが、この方は時々膝痛を訴えていましたので、大腸が原因かもしれないと思い、下降結腸の辺りを押さえると、痛がるのです。
※ 「なぜ大腸と考えたか」と言いますと、七星論では「関節への七星配置」といのがありまして、股関節が「水=腎・膀胱」、膝関節が「金=肺・大腸」、足関節が「地=心包・三焦」という分け方があり、それを使ったのです。

それでも念のために「梨状筋症候群のテスト」をやってみました。
・SLRテスト:仰向けに寝た状態で、検査する方の足を伸ばしたまま上に挙げ、その位置から股関節を内側に捻ります。
つまり、梨状筋を伸ばす格好になり、お尻に(梨状筋に)痛みやしびれなどが出たら陽性と診ます。

・フライベルグテスト:仰向けで、痛みの出る側(検査する側)の足を曲げて、内側に持っていきます。
つまり、梨状筋を伸ばす格好になり、臀部の痛みやしびれなどが出たら陽性です。

いずれのテストも、梨状筋を伸ばして痛みがあるかどうかを診ているわけですが、だいたいは一つのテストでわかりますので、一つのテストで陽性だったら、「陽性」と判定していいと思います。

参考:梨状筋症候群の症状
① 痛みや知覚異常が、下背部、腰部、仙腸関節、鼠径部、会陰部、殿部、後大腿部と下腿部、足部、および排便時の直腸痛が起る
② 長時間の座った姿勢や、腰を屈曲させたまま大腿の内転や内旋させた状態を続けたり、活動したりすることにより悪化する
③ 太ももの裏、ふくらはぎ、足先までの痺れで、坐骨神経に沿った痺れが起こる
④ 長時間座っているとしびれが悪化する
⑤ 腰を前に曲げて前屈すると、足の痺れが強くなる
⑥ 痺れている側を上にして寝ると痺れが悪化する
⑦ 痺れの種類は
  鋭い痛み
  ビリビリと神経的な痛み
  電流が走るような痛み
  灼熱感を感じる違和感
⑧ 症状が椎間板ヘルニアと似ているので、間違われることも少なくありません


それで、この方は、問診でも梨状筋症候群のテストでも陰性(反応なし)と判定したので、「大腸からの経筋腱収縮牽引」と考えたわけです。
となると、大腸を動かして代謝をあげるよういすればいいわけです。
もちろん、経絡で大腸経も整えておきます。

ここで、経絡の話が出ましたので、筋肉でのテストと、脈診と、六臓診で診るのとではどのような違いがあるかと言いますと、動診でのテストは、その筋肉にアプローチした方法なので、適切と思いがちですが、筋肉は一つの筋肉だけで判断すると間違う場合があります。

たとえば、梨状筋は「大腿骨を外旋する筋肉」ですが、梨状筋以外にも、内閉鎖筋、外閉鎖筋、上双子筋、下双子筋、大腿方形筋も大腿を外旋させる働きがあり、大臀筋や中臀筋や小殿筋は股関節を屈曲させる筋肉ですが、それらも「お尻の痛み」という症状が出てくるのです。
ですから、動診で診るのは、どちらかというと、関節運動のテストと考えたほうがいいように思うのです。
さらに、その筋肉が原因だとしても、その筋肉に「影響を与えた何か」があるはずで、それは動診では判断できないのです。

そして、脈診では経絡変動を診て臓腑の異変を診るのですが、それはあくまで「臓腑対象」と考えますし、脈状は簡単に変わってしまうので、筋・骨格系の診断にはあまり向いてないと思うのです。
※ 七星論では、身体各部を七星に分けてありますので、症状のある部位と臓腑との関係が即座にわかります。

となると、残るのは「七星論の六臓診」になるのですが、六臓診は、解剖学を基本に組んでありますので、経絡の判定も筋肉との関係も、すぐに結びつけることができますので、筋・骨格系や関節の関係を診るには、「六臓診」のほうがいいのではないかと考えていますし、実際の臨床でも、それらを使って診断しています。

さて、この方の治療法ですが、
① 経絡治療で大腸経を整えるようにします。
② 大腸を活性化するために腹部から大腸を押圧します
③ 七星論でいう「第四生泉水穴」に灸3壮をします
お灸は大きめでないと効きませんので、症状の出ている側の第四生泉水穴には、小豆半分ぐらいの大きさで施灸したほうがいいです。

これで治療はOKになりますが、ひどい状態の場合は、これだけでは治まらないこともあります。
その場合は、前回の臨床実践塾で解説した腸骨の前傾や、肝、腎の状態も診て、それらも整えます。
(臓腑は、七星論での陰査穴を使えばだいたい治まっています)



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