2017/05/21

捻挫の治し方 (5月~9月の臨床実践塾)


足関節


先週から今週にかけて、3人ほど足関節捻挫の方が来られました。
気温の変動が激しいので、心包経(心筋と考えてください)に異変が起こり、次に手関節や足関節に異変が出てくるわけです。
七星論には、「関節への七星配置」というのがあり、股関節が「水=腎・膀胱」、膝関節が「金=肺・大腸」、足関節が「地=心包・三焦」という並びになっています。

昨日来られた方は、前腕の大腸経にも痛みがあると言っていましたので、それはエネルギー療法(FAT:機能調整療法)で治しました。
FATでは、患者さんの体の一部(手指でも足趾でも体幹でも、どこでも構いません)に、軽く手を触れるだけなので、患者さんにすれば何をしたのかわかりません。
昨日も、示指を軽く挟んで、20秒ぐらい待ってから、

「はい。痛みを確認してください」と言うと、

「えっ? 治療してたんですか?」と言う。

「はい。とりあえず、痛みを確認して」と言うと、

「治療しているとは思わなかった」と言いながら、痛みのあったところを押したり、腕全体を上げ下げしたりしていました。そして、

「ちょっと残っている感じはするのですが、治ったみたいです」

「残っているのは名残ですから、10分か15分すると消えますよ」と話してから、足関節の治療にかかった。

これもエネルギー療法で治療しようかと思ったのですが、エネルギー療法ばかり使っていると、「何もしてもらわなかった」と思われる可能性があるし、捻挫の場合は、器質的な変位があるので、エネルギー療法だけでは痛みを残す可能性があるし、その場では治っても再発する可能性がある。

そこで、腸骨を整え、アキレス腱を整え、それから踵骨を動かしました。
踵骨の調整方法は、上の写真のようにします。
患者さんの踵に手の平を当て、反対側の手で足首を掴まえて、踵骨が前にくるようにするのです。
(足根骨が歪んでいる場合もありますので、その場合は足根骨も調整します)

これは、アキレス腱(腓腹筋)が過緊張して、踵骨が後にズレている場合に使う方法ですが、酷ければひどいほどわかりやすい治療法で、ほんとに僅かな動きですが、足関節がコキッと動くようなら、「スパッと取れた」という感じで治ります。

で、治療が済んでから、

「足モデルになってくれない? ブログのネタにするから」と言うと、

「えっ? こんな太い足でいいんですか?」と笑いながら言っていた。

「いえいえ、若い人の足はきれいですから…」と撮影することになりました。

皆さん、この方の足、太いですか? (^_^;)
そんなことはないですよねー。
ほんとに足の太い人が聞いたら、「ケンカ売ってるのか?」と言われますよねー。(゚c_,゚`。)プッ
2017/05/17

七星鍼法の考え方……:補瀉と任督 (連載15)(5月28日の臨床実践塾)

脊椎


督脈は背中を流れる経絡で、鍼灸学校で学ぶ鍼灸学では、「下部から頭部に流れる」と教えられます。
そして、骨格と経絡の関係も、説明はありません。
しかし、七星鍼法では、督脈は頭部から下部(尾骨)に流れると考えており、臨床もその理論に従って行います。(その理論に賛同する医学者も増えてきた)

そして、骨格との関係も七星で解いてあり、臨床での診断や治療におおいに役立てることができます。
それは、検証を繰り返して組み立てられたので、いつでも、誰でも、検証をして確認することができる鍼灸理論ですので、近い将来、七星鍼法の理論が評価されるはずです。
もう、その兆候は出て来ていますが、もう少しお待ち頂けば、その兆候のお話もできると思います。

さて、うんちくはこれぐらいにして、「どのように検証したらいいのか」を話していきたいと思います。


検証1
鍼灸治療には、「補・寫」という理論があり、臨床では頻繁に使います。
頻繁に使うと言うより、それを使えなければ鍼灸治療はできない、と言ったほうがいいかも知れません。

「補」とは、補うという意味があり、不足した氣(エネルギーと考えてください)を補うという意味があります。つまり、氣の力が落ちているのを、鍼灸で補ってあげ、バランスを取ってあげるわけです。

「寫」とは、氣(エネルギーと考えてください)が充満して、満ち溢れている状態をいい、この場合は、氣を抜いてあげるという手法を使うわけです。
つまり、氣が不足していたら鍼灸術で補ってあげ、氣が充満していたら鍼灸術で氣を抜いてあげるわけです。

そして、その手法は、経絡の流れに従って鍼をすると「補」になり、経絡の流れに逆らって鍼をすると「寫」になると言われ、実際に筋力テスト等を用いて実験などをすると、その通りになります。
この手法を使って、督脈の流れを検証して見ると、面白い結果が出てきます。

鍼灸学校で教えているように、督脈が下から頭に流れているとして、督脈のどこでもいいので、「下から頭に向かって」軽く鍼を刺してみます。
つまり、教科書に従うと「補法」の鍼をするわけです。
すると、氣(エネルギー)を補ったはずなのに、筋力が落ちるのです。

今度は、刺した鍼を抜いて、反対方向(頭から下に向かって)に刺してみます。
教科書では、下から頭に氣(エネルギー)が流れているので、上から下に向かって刺すと「寫」になるので、筋力は落ちるはずですが、結果は逆になります。

どういうこと?

この結果を見て、実際の臨床に臨むとすると、督脈は下から上に刺すのか、上から下に刺すのか迷ってしまうはずです。
この結果を自分の目で見て、それでも「督脈は下から上に流れるのだ」と言う人は、多分、そう言わなければ自分の立場が悪くなる人だと思います。

こういう論語があります。
【子曰く、君子は徳を懐い、小人は土を懐う。君子は刑を懐い、小人は恵を懐う】
これは、君子は道徳の実践と普及を考えるが、小人は故郷の土地のことばかり考えて、道徳による教化などには興味を向けないということです。
この実験を目の当たりにしても、「督脈は下から頭に向かう」と言う人は、つまり、衆生の利益より己の利益を優先させているのではないかと考えるわけです。

ちょっと厳しい事を言いましたが、今の時代は封建社会ではないので、実験で確認できた事は「確認できた」と言って、訂正すべきことは訂正したほうがいいと思うのです。
いつまでも長い物に巻かれて、息苦しい人生を送るよりは、自分の力でやりたい事をやったほうが賢明かと思うのです。

そうする事で、「芯の強い治療師」に成れると思うのです。
2017/05/17

歯科で出来るスカルセラピー (連載14)(5月28日の臨床実践塾)

歯科治療ベッド

歯科治療のベッド


きょうは、予定通り歯科医院へ行き、歯科医院でのスカルセラピーの話をすることもできました。
こういうときは、治療パフォーマンサーに変身します。(^_^;)
歯科医の院長と話した内容のほがわかりやすいと思うので、その会話を書かせてもらいます。

「歯科医では、噛み合わせとか入れ歯の問題を訴えてくる方が多いと言いますが、やっぱりそうですか?」

「いますねぇ」

「そんなとき、頭蓋、頸椎、上肢をちょっと動かすだけで解決できるので、ちょっとやってみましょうか?」

「えっ? ああ、はい!」と言うので、

「たとえば、トラブルの多い人は、下あごがズレている人が多いんですね。ですから、そこをちょっと調整するだけで、ある程度は解決できますよ。実際にちょっとやってみますね」と、院長先生の腕を水平に挙げてもらい、

「ここが三角筋の前部になりますが、この筋肉は下顎のこの部分と関係しているのです。ですから、今、腕を水平に挙げた状態と、下顎をちょっと押した後では、三角筋の前部にかかる負荷が変わり、肩関節の可動域が違ってくるのです」

という話をしながら、院長先生の腕を水平に挙げさせて、腕を後方に引くようにします。そして下顎を押してから、再び腕を水平に挙げてもらい、三角筋の前部に負荷がかかるように腕を後に引いていくと、今度は腕が軽く後ろに行くので、院長先生も、傍で見ていた歯科助手の方も(多分、歯科衛生士さん)、

「あ!!!」と声を上げていました。
ビフォーとアフターで腕の動きが明らかに違ったからです。
実は、このテクニック、2~3年前から頻繁に使っているテクニックで、よくパフォーマンスに使っているのです。

その後に、
「これは、下顎を押して肩関節の可動域が良くなったのですが、逆に言うと、肩関節の動きを良くすれば下顎も変化するということです。そして、それだけでは元に戻りやすいの」で、臨床で使うときは、頸椎と上肢も調整しておきます。今、時間があれば実際にやってみましょうか」と言うと、

「私がいいですか、それともこちらのほうがいいですか」とモニターになる人を決めていました。

「どちらでもいいのですが、院長先生は先ほど動かしたばかりだし、やり方を傍で見てもらいたいので、こちらの方をモニターにしたほうがいいですね」と、助手の方をモニターにすることにしました。

そして、腕の動きをテストしてから、歯科治療ベッドに寝てもらい、院長先生に顔の中心線の診方から説明して、今度は、下顎は触らずに、上肢と頚椎を調整しました。
それから床に立ってもらい、先ほどの腕挙げテストをしてもらったら、かなり可動域が広がっていましたので、笑いが隠せない顔をしていました。

そこで言うわけです。
「おもしろいでしょう。これで中心線も変わっていますよ」と再び治療ベッドに寝てもらいましたら、今度は私より先に、院長先生のほうが中心線を見て、

「あ、あ、変わっていますね」と言うので、そこで矯正の理論を説明しました。

「顔への七星配置は、ここが水で、ここが金、ここが火になりますので、この3点がポイントになりますので、この3点を、上肢の骨・筋を使って動かすわけです。それから次に頚椎を動かすのですが、頸椎の整え方を教えるにはちょっと時間がかかりますので、これは日を改めなければなりません」
この助手の方をモニターにした調整は、時間にして5分もかかっていません。

これで説明は終わったのですが、歯科ベッドでのテストをさせてくれたお礼として、この治療法を教えることにしました。

「これで歯科治療ベッドでも治療ができることが分かりましたので、院長先生の所でもやってみたらどうでしょうか。詳しいやり方は、長くても1時間あれば教えられますので、私がこちらに来て教えますから…」と話し、次いでにマーケティングの方法まで話しておきました。

おっと、、、こちらの院長先生は、拙著 『人体惑星試論奥義書』 も読んでいますし、私のセミナーにも何度か参加されていますので、このように話がスムーズに進んだのです。
全く初めての歯科医でしたら、こんな話は、まずできないと思います。
2017/05/16

3月分の臨床実践塾DVDを発送しました (連載13)(5月28日の臨床実践塾)

skullのトールケース

参加者の皆さんに送ったDVDのトールケース



3月26日に行なった臨床実践塾のDVDを、参加した方々全員に発送させて頂きました。
早いところは、日曜日には届いたみたいで、早速お礼のメールが届きました。
上の写真がトールケースで、DVDが3枚組になっています。

参加者の皆さん方に無償で配布したのですが、「無償」となると、安っぽく扱われやすいし、今後ずっと無償でDVDを配布してくれるものと思われはしないかと、多少懸念がありますが、以下のような目的があるので無償配布をしているのです。

3月と4月は、スカルセラピーのインストラクター予備講座でした。
そこで、DVDを無償にすることで、セミナー内容を復習してもらい、インストラクターを目指して欲しいと考えたわけです。
※ そのDVDは、参加者だけが視聴するもので、参加してない方々の視聴は禁止する【注意書】も入れてありますので、その点ご注意ください。

そして、後々インストラクター本講座を開催する予定ですので、その時は、このDVDが役立つようになっています。

スカルセラピーを使うと、子どもの治療などをするときなど、ほんとに5分程度で済んでしまいます。
またスカルセラピーは、難治性の病気治療にも役立ちますので、将来は家庭療法にして、各家庭や近所の方々でやってほしいと考えております。

たとえば、奈良から来られる「視床痛」の方ですが、簡単なスカルセラピーのテクニックを家族の方に教え、家でもやってもらうようにお願いしました。
そして先日来られたときには、後頭下部のシコリが取れていたのです。

治療に要する時間は、ほんの1~2分程度のテクニックですので、あまり家族の負担にもならないし、何よりも改善が見られたら、家族としても嬉しいはずです。
それで次には、他のテクニックを教えて、今度はそちらのテクニックを使ってもらいたいと考えていましたが、その日は患者さんだけで来ましたので、次のテクニックを教えることはできませんでした。

ちょっとしたこと。

ちょっとしたことで病気や症状は改善されるのです。
ちょっとしたテクニックを家族が覚えて、家庭でやってあげられたら、どれだけ助かることだろう。
そんな夢を描きながらスカルセラピーを組み立てています。

たまたまですが、私の歯に被せてあったのが取れたので、これから歯科医へ行くのですが、そこでもスカルセラピーでの頚椎の整え方を話してみようと考えています。
と言っても、患者さんが多いと何も話せないし、何もできないと思いますが、1分ぐらいあれば、頸椎調整の話はできるので、何とかなると思います。

何故、歯科医でスカルセラピーの話をするかと言いますと、実は、虫歯は別にして、歯や顎関節の問題は、頭蓋骨や頚椎と深い関係があり、その調整法(1~2分でできる方法)を歯科医が覚えると、いろいろな歯の問題に対処できるからです。
と言いますのは、歯科の問題は七星鍼法で解決できるのが多く、歯科の問題で当院に来られた方々も大勢いらっしゃいます。
その多くの臨床実績があるので、そのように言うことができるわけです。

特に、高齢者に多い「入れ歯の問題」は歯科医を困らせる場合もあるようですので、歯科医師が歯や口腔のことだけでなく、もっと範囲を広げて頭蓋骨や頚椎まで調整できるようになれば、歯のトラブルをもっと簡単に解決できるはずです。
そう考えると、歯の問題で歯科医に行かなくても、家庭で頭蓋や頚椎が調整できれば、歯の問題で苦しまなくても済むと考えることができます。

こんなことを書いたら、歯科医師に怒られそうですが、スカルセラピーはそういうところを目指していますので、ご勘弁願うよりしかたがありません。
また考え方によっては、歯や口腔以外の調整で歯の問題が解決できるということは、歯科医師とは関係ないことになるので、歯科医にトヤカク言われるものでもありません。

私が西中島で治療院を開業して間もない頃、患者さんから「新大阪野戦病院」と呼ばれていたことがありますが、今度は「上本町野戦歯科医院」と呼ばれるのだろうか、と考えたりします。(^m^ )クスッ
でも、虫歯のような歯の問題は扱いません。

あ、でも、歯科の問題は、七星鍼法を使うと結構治せます。
ただ、「鍼法」なので、鍼が使えなくては難しいのです。
ですから、一般の方でも使えるようなスカルセラピーを推奨するわけです。

そういう「スカルセラピー・インストラクター」が近くに居れば、助かりますよね。
2017/05/15

私に治療を教えてくれた20代前半の女性 (連載12)(5月28日の臨床実践塾)

名古屋の
片足で立ってもグラグラしなくなった

私たち治療家というのは、患者さんから学ぶことが多いものです。
時々、治療費をもらって治療法を教えてもらうなんて、理不尽な商売だなぁ、なんて考える時もあります。
治療師の方々はそう考えたことはありませんか?


きょう紹介する患者さんは、前にも動画で紹介した事があるのですが、新幹線で通院している女の子で、バーンと好転する事がないので、来院するたびに「申し訳ない」という気持ちでいました。
しかし、先日は明らかに変化が見られたので、胸を撫で下ろしました。

それだけではありません。
私はこの子にスカルセラピーでの治療法を教えられたのです。
言葉にすると、「集約療法」とでも言いましょうか。

この子は、片足で立つとグラグラと揺れて、真っ直ぐ立てない状態でした。
片足で立つとグラグラする症状は「健康指導リソースガイド」によると、以下のように書かれています。

===================================
片足立ちのバランスをとりにくいのは、以下のような人だった。
・2つ以上のラクナ梗塞病変があった人の34.5%。
・ラクナ梗塞病変が1つあった人の16%。
・2つ以上の微小出血があった人の30%。
・微小出血が1つあった人の15.3%。
===================================

その他のサイトでは「認知症」との関係が問われ、主に高齢者が対象のようになっていますが、この子はまだ20代前半なので、これには当てはまらないはずです。

このような症状がある場合は、「ロコモティブシンドローム」と呼んでいるようです。
ロコモティブシンドローム(運動器症候群)とは、身体運動に関わる骨、筋肉、関節、神経などの総称で、運動器はそれぞれが連携して働いているのですが、どれかひとつが悪くても身体はうまく動かないのです。
また、複数の運動器が同時に障害を受けることもあり、運動器を全体としてとらえる考え方がロコモティブシンドロームの考え方です。

2007年、日本整形外科学会は超高齢化の進む日本の将来を見据えて、「ロコモティブシンドローム(略称ロコモ)」という概念を提唱しました。
ロコモは、高齢者に多く見られる症状ですが、最近では子どもの間でもロコモが危惧されていると言います。
腰や関節が痛くて「かかとをつけてしゃがめない」「両手を同時に真っすぐ伸ばして上げられない」などという子どもが増えているというわけです。

子どものロコモのチェック方法は以下のように書かれていますが、この子は営業でちょっとした荷物を持って移動する仕事をしているので、この子はどうもそれにも当てはまらないようです。

===================================
□家の中でつまずいたり、すべったりする
□片足立ちで靴下が履けない
□階段を上るときに手すりが必要
□掃除機など少し重い道具を使う家事がつらくなった
□買い物などで2kg程度の荷物を持つのがつらい
□15分程度の徒歩での移動が困難
□一般的な横断歩道を青信号で渡り切れない
===================================

しかし、スカルセラピーで頭蓋を調整すると、少しグラグラと揺れるのがよくなるので、何度か治療していたら、この子が、
「頭と手足だけのほうがいいみたいです」と言うのです。
どういうことだろうと思いながらも、その子の言う通りに、頭蓋と手足だけで治療をすることにしました。

それから10ヶ月が過ぎ、治療回数は15回にもなっていました。

「グラグラするのは、どんな状態ですか?」と聞いたら、ニコニコしながら、

「ちょっといいみたいです。あまり揺れなくなりました」と言うので、動画を撮影させてもらうことにしました。

こちらが先日です。

こちらが10ヶ月前です。

私は撮影しながら嬉しくて仕方がありませんでした。
正直言って、そこまで良くなっているとは思わなかったからです。
すると、その子が、ニコニコしながら、

「ハイヒールが履けるようになりました」と言う。

その言葉を聞いた途端、目頭が熱くなり思わず下を向いてしまいました。
確かに、前の状態ではハイヒールなんてとんでもないことでしたが、今の状態だと、ハイヒールでも転ぶことはないだろうと思われました。
2017/05/14

対応経絡の診方と「腹七」の使い方 (連載11)(5/23からの臨床実践塾)

腹七での診断
腹七の診断

七星鍼法の基礎は、七星論(人体惑星試論)で、身体の各部を七星に分けてあり、痛みの出る部位で、「どの臓腑の異変」というのがわかるようになっています。
ですから、脈診やその他の診断の出来ない人でも、七星論を使うと、それなりの治療ができるのです。

ただし、「肩関節の治し方はこうだ」「膝関節の治し方はこうすればいい」というようなものではありません。
「この関節に症状や痛みがあるなら、この臓腑にも関係している」「この頭痛の原因は肩こりと関係していて、その肩凝りは腎臓が原因の肩凝りだ」というように、深掘りするのが七星論だからです。

そして、その深堀した原因追究から考えて、経絡を選んでいき、一穴鍼法(一つのツボで症状や痛みを取る方法)を使うときは、さらに選んだ経絡から一つのツボを選んで治療するのです。
ただし、一穴鍼法は、それだけで治療を終わるのではなく、パフォーマンス的に使います。
何故なら、一穴鍼法だと戻るのが早いからです。

これから話す症例は、七星鍼法での診断のお話ですが、具体的にはこのように使いますという説明のために話をするものです。

イベントの企画などをされている方ですが、大きなイベントが終わったらしく、体調がかなり崩れた状態でやってきました。

「先生、もうあきませんわ。めまいは出るし横腹は痛いし、ふらふらして辛いです」

といようなことを言っていました。
そこで脈診をすると、「脾虚」が出ていましたので、
「ああ、これならそういう症状が出てもしかたないな」と思いながら、脾虚の説明をしました。

それから、左脇腹の肋間を探ったのですが(脾虚があるとこの部に痛みが出る)、「くすぐったい」と言いながら、体を逃がしていました。
そこで、脾虚(脾臓が弱っている)ことを本人にも気付いてもらうために、上向きに寝てもらい、腹部への七星配置での「土=脾・胃」を押さえました。
すると、顔をしかめながら「痛い!」と言いました。

そこで、対応穴の説明をするために、腹七(腹部に配置した七星)の「地=心包・三焦」も押さえましたら、こちらもやはり痛がります。
その理論は、拙著『人体惑星試論奥義書』に書いたのですが、臓腑には対応経絡というのがあり、片方の経絡に異変が出ると、対応している経絡にも異変が出るのです。
対応経絡は以下のようになっています。

任:督、水:火、金:木、地:土

これを腹部に配置すると、以下のようになります。

腹部七星

腹部七星の配置図(向い合わせところが対応経絡)

それからスカルセラピーで整え、念のために鍼もして治療を終わったのですが、起き上がりながら、その方は溜息をつきながらこう言いました。

「はーー、だんだん生き返ってきました。ハ―!」

脾虚というのは、水=腎・膀胱、金=肺・大腸、地=心包・三焦、火=心・小腸、木=肝・胆が疲れた状態でもありますので、とにかくだるいし、何をする力が出ない状態ですので、その方の言う「生き返ってきました」というのはわかるような気がします。
きっと、イベントの企画から立ち上げまで、寝る間を惜しんで一生懸命にやったのだと思います。
お疲れ様でした。(^-^)
2017/05/13

アキレス腱や足関節が痛いときの治し方 連載10 (5/23からの臨床実践塾)

 下肢の矯正

       画像クリックで矯正の動画:ふくらはぎと足関節がいたい!


気候の変動が激しいせいか、「足首が痛い!」とか「アキレス腱が突っ張って痛い!」と訴える方が何人か来られました。

気候の変わり目になると、心包経に異変の出る人が増えてきます。
足関節は、足関節は脛骨、腓骨、7つの足根骨を含めた9個の骨で構成されており、上跳躍関節、下跳躍関節、踵立方関節、楔舟関節で構成される複関節です。
足関節を七星論で診ますと「地=心包・三焦」になります。
ですから、足関節に症状の出てくる人が多くなるわけです。

足関節はまた、腓腹筋とヒラメ筋(アキレス腱になる)が付着する骨でもありますので、この筋肉に異変が起こると、アキレス腱に過緊張が起こり、ひどくなると痛みが出てくるわけで、その過緊張が踵骨を牽引して、踵骨をずらしてしまい、足関節に異変が出てくるわけです。

当然ですが、踵骨がずれると、足関節に痛みや可動域制限が出てきますので、正座ができないとか、歩きにくいという症状も出て来るわけです。
となると、それらの症状を治めるには、踵骨を調整すればいいのですが、踵骨の調整は、アキレス腱から調整したほうが賢明です。

何故かと言いますと、
たとえば、突き指をした場合、すぐに指を引っ張るのではなく、最初に指を押し込むようにしながら、周囲の筋肉や腱を緩めてから引っ張ると、安全に、確実に突き指を調整することができるからで、原理がそれと一緒だからです。

ただし、アキレス腱は、股関節の歪みも関係してくるので、足関節の調整だけで治るとは思わないでください。
つまり、骨盤矯正もできている状態でアキレス腱や足関節を調整するのが得策というわけです。

アキレス腱と足関節の、手技療法での調整方法は、上の写真をクリックして、動画で観てください。
大雑把にやっていますが、1分程度で治るのがわかるはずです。

そして、アキレス腱や足関節の治療効果を長持ちさせるために、鍼灸治療を加える場合もありますが、その時は、承山や承命などを使うといいです。
2017/05/12

脊椎や頚椎の歪みと一穴鍼法の関係 (連載9)(5月28日の臨床実践塾)

脊椎診

脊椎の歪で頚椎1番の変位や臓腑の異変が分かります



七星鍼法には基本的な診断と基本的な治療法があり、それらを理解するだけで治療に悩む事が少なくなります。
たとえば、上の写真を見て、この方の頸椎1番はどこに歪んでいて、どの臓腑に異変が出ているのかを検討してみてください。
その検討ができたら、治療法は自ずと決まってきます。

手技療法で治療するなら、頸椎を調整してから脊椎を整えると思いますが、脊椎を整えるために頭蓋骨を動かす方法もあります。
その方法は前々回の臨床実践塾でやったのですが、時間が短かったので、モデルになった方の歪みが調整するのは見ることができても、お互いで調整しての確認はできなかったかも知れません。

ですから、その時の参加者には撮影したビデオを無料配布することにしました。
3月のセミナーからちょっと時間が経ちましたが、ようやく今週の土曜日には当方に届くことになりました。
参加された方々は、ビデオを見るとパッと思い出すことができるはずですので、復習のつもりでビデオを視聴してください。

その方法を覚えていると、これからやる「鍼での頚椎1番調整」も理解しやすいと思います。

4月のビデオはこれから編集するのですが、もしかすると今度の実践塾までには、お渡しできるかも知れません。

DVD

ディスクは3枚組で、トールケースも同じデザインです


鍼灸師でありながら、私が何故「脊椎診」という診断法を考えたかというと、鍼灸は臓腑疾患にはそれなりに対処できましたが、筋骨に関しては、診断法も治療法も確立されてないと感じたからです。

そして、患者さんの背中を毎日見ていますと、肝臓に問題がある人や心臓に問題のある人は、顕著に脊椎の歪みとして現れていたので、これは臓腑の異変は脊椎に出てくるのだなと思い、カルテに脊椎のイラストを入れて、脊椎を診ては赤ペンでカルテに書き込んでいたのです。

それをまとめて書いたのが、 拙著『究極の特殊針』 即効療法新城理論の診断と治療です。
そして臨床でもずっとその診断法を使っていましたので、 『人体惑星試論奥義書』 にも、その診断法を書き入れましたが、この脊椎で診断する方法は、経絡治療でも大いに役立ちました。

「経絡治療の最高峰」と言われる「一穴鍼法」です。

一穴鍼法を使うときに、脊椎を診ることができなければ、ハズレル場合が多いからです。
たとえば、一穴鍼法の中に入れてもいい治療法に巨刺法(症状のある反対側に刺鍼して治す方法)というのがありますが、この巨刺法を使う場合は、過緊張している側に刺鍼するといいのですが、弛緩しているところに刺鍼する側となった場合は、やってはいけないのです。(巨刺法が書かれた本には書かれていません)

理由は、弛緩した部位をさらに弛緩させてしまうので、症状を悪化させてしまうからです。

つまり、巨刺法では、過緊張のある側の臓腑に異変が起っているので、過緊張が緩むような鍼をする必要があるので、脊椎を診ることができなければ悪化させてしまうということです。
右の肩が痛いという患者さんに、無条件に右肩に鍼をしたり、右肩を揉みほぐしたりするというのがそのパターンです。

日常の臨床でもたまに、悪化させられた患者さんが来ますので、この診断法と治療法は今回のセミナーで強調して話すつもりです。

そして、脊椎を診ることができれば、いろいろな症状を一穴で治めることができるようになります。
そうなると、マジックのような治療ができるようになり、治療が楽しくて仕方がないのです。

初診の患者さんでもドキドキしなくても済むようになります。^_^
2017/05/11

このセミナーで何が得られるのか (連載8)(5月28日の臨床実践塾)

コーヒー

     コーヒーブレイクはいかが?



臨床実践塾は楽しみながら学んでいくものと考えていますので、治療テクニックを使ったマジックショーみたいなこともやります。
もちろん、マジックではなく、臨床で使うテクニックの公開なのですが、そのテクニックの理論や原理がわからないときは、多分笑うしかない。

自分の想像を超えたものを見ると、驚くか笑うか、だからです。
それは講習会でも、治療院での臨床でも一緒です。
だから私のところでは、患者さんと一緒に笑う場合が多いのです。

その方法を、「臨床技術の上達プロジェクト」に含めてあるわけです。
コミュニケーションも治療の一部だからです。

昔の「鍼灸治療」というのは、鍼灸師が難しい顔をして、武術のような鍼の打ち方をするというイメージがありました。
それは、鍼灸学校がない時代に、師匠に弟子入りして鍼灸を学んだので、自己防衛のために(質問をされないように)そのようになったと思います。

則ち、解剖も生理もわからないし、資格もない状態で鍼をするのですから、「怖い顔」をしておかないと、何を言われるかわからないから、と考える事ができます。
しかし、心理学やコミュニケーション能力の研究が進んで、怖い顔をするのはマイナスになることがわかり、最近では、いやらしいほど愛想のいい鍼灸師もいます。

いやらしいほど愛想を良くする必要はないのですが、せめて治療テクニックで笑いの場を作れるぐらいになってほしいと考えています。

「足が痛い」という患者さんを、頭のツボを使って足の痛みを取ったらどうでしょうか。
「頭が痛い」という患者さんを、足のツボを使って頭の痛みを取ったらどうでしょうか。
「足が挙がらない」と言う患者さんの、お腹を触って足が挙がるようにしたらどうでしょうか。

きっと笑いますね。
きっと驚きますよねー。
少なくても怒ることはないでしょう。

そのようなテクニックを身に付けてもらうのが、「臨床技術の上達プロジェクト」になるわけです。
2016年3月に、『鍼灸パフォーマンサー』というタイトルで講習をしましたが、そのときは、パフォーマンスに使いやすいテクニックを解説しましたが、今回は、パフォーマンステクニックを隋書に入れてセミナーを進めていくわけです。

そのためには七星論が必須になってきます。五行論では解けない問題があるからです。
経絡も必須になってきます。
解剖・生理も必須になってきます。
と、そこまで書くと、「難しそうだなー」と感じるかも知れませんが、鍼灸学校を卒業した人なら難しいことはありません。

ただ、鍼灸学校で学ぶ陰陽は実用的とは思われないので、もっと身近な事物、病気、症状を例に挙げながら陰陽で分解し、分解された陰陽を、どの治療技術を使えば陰陽調和が図れるかを考えて、「診断即治療」になるようにします。

身体の陰陽、
筋骨の陰陽、
臓腑の陰陽、
環境の陰陽、
病気の陰陽、
食物の陰陽、
治療の陰陽、
つまり、全てが実用的な陰陽の使い方になるわけです。

そして、この5月~9月までを通して「エネルギー療法」の訓練法も教えていく予定にしています。
エネルギー療法は、いろんな治療テクニックセミナーや、治療院の集客動画に使われています。
そして、エネルギー療法のセミナーの受講料は、正直言ってかなり高額です。
受講者にとってそれだけの価値があればいいのですが…。

と、そんな思いを巡らせながらセミナーの準備を進めています。
2017/05/10

鍼灸治療と手技療法の整合 (連載7)(5月28日の臨床実践塾の準備)

後完骨

       乳様突起と後完骨



鍼灸治療と手技療法を整合することは、相互の治療法の理解を深めることになるはずです。
たとえば、頸椎1番の矯正はなかなか難しいのですが、頸椎1番と頭蓋の位置、そしてどこで頚椎1番の歪みを確認すればいいのか、ということを考えれば、胸椎1番の矯正方法を考えることができます。

手技療法では、直接頚椎1番を動かす方法を用いますが、鍼灸では後頸部にあるツボに刺鍼して頚椎1番を整えます。
ただ、鍼灸での矯正は、一般的に「頚椎の矯正」という言葉は使ってないようで、何らかの症状がある場合は、ツボの名前で示しています。

それは、もともと鍼灸に骨格矯正という概念がなかったからだと思います。
ですから、頸椎の歪みの診断もなかったわけです。
頚椎1番の矯正に使われたツボは、上の写真にある「後完骨」と、瘂門、風池などを考えることができます。
つまり、後頭下部のツボです。

私は変な性格があり、「手技療法で頚椎1番を整える」という話を聞くと、「手技療法の理論を使って鍼灸で整えることはできないだろうか」と考えてしまうのです。
さらに七星論を考えてからは、全て「七星=宙・水星・金星・地球・火星・木星・土星」に当てはめて考えるようになりました。

たとえば、この頚椎1番の問題でしたら、頸椎1番は「水」になるので、遠位にある「水」を探し、遠位の「水」で変化が出るかどうかをテストします。
そうすると、足の小趾が水になりますので、足の小趾に刺激を与えてみるのです。

最初は手技で刺激を与えますが、ほぼ確実に矯正できるとなると、鍼灸を使います。
鍼灸の刺激は、長期間残りますので、矯正した後の持ちがいいのです。
そして、同じような理由で、足の小趾に異変があると、頸椎1番で調整することもできるわけです。

当院で、私がマジックのような治療をするのは、基本的に七星論での解剖を利用しているのです。
ただし、「触らずに」とか「指を触れただけで」と説明してあるのは、エネルギー療法を使っています。

ですから、5月からの臨床実践塾では、一部位や一つの症状を治すときの、手技療法と鍼灸療法を解説していきます。
臨床実践塾を12年やってきましたが、これまでは鍼灸は鍼灸、手技療法は手技療法というように分けて説明してきましたが、対象がヒトの体ですので、今後は鍼灸と手技療法を混合して行なっていきます。

さらに鍼灸では、経絡という面白いネットワークを使いますので、これまた不思議な変化を出すことができるのです。
たとえば、これは七星論独自の手法ですが、代謝の悪い人の頭部2穴に鍼をしておきますと、時間と共に代謝が上がり、多くの症状は消え、元気が出てきます。

で、それを手技療法ではどうするかというと、そのツボに刺激を与える方法を考えるわけで、それを考える事ができたら、鍼灸のような治療効果を出す事ができるわけです。

つまり、ここでの問題は「理論」です。
理論無くして考える事はできません。
「腰が痛いときには、ここがこうなっているから、こうすればいいのだ」という解説が必要だと思うのです。
そのように説明できるなら、別の治療法も考えることができるからです。

最近の臨床で話をすると、腰痛の方が2人いました。
一人は、薬のせいだと思いますが、「右の腰が痛い」と訴えていました。
そして、左肩にカバンを担ぐと痛みが出て来るというのです。
これは、左肩にカバンを担ぐと、左肩が自然に上がってしまいます。
その結果、右肩が下がり、右背が縮み、右の骨盤が引っ張られてしまい、痛みが増してくるわけです。

もう一人の方は、陰性食(砂糖・果物・酢の物・ビール)を摂り過ぎたと思われる方で、仙腸関節が痛いと言います。
そして、右の仙腸関節が治まったら左の仙腸関節が痛くなる、というわけです。
これは、腹部が冷えて、新陳代謝が上手くいってないと考える事ができます。

というのは、日本人の体温は平均で36.5度と言われます。
しかし、これは表面の体温であって、深部体温ではないのです。
深部の体温は確か38度ちょっとあったと覚えていますが、深部の体温が下がると、新陳代謝が落ちてしまうので、代謝が悪くなり、それが原因で障害を起すわけです。
とりわけこの方の場合は、仙腸関節の動きが悪くなるという障害が出てくるわけです。

ですから、こんな場合の緊急処置として、下腹を温めて代謝を起させる方法を考えます。
具体的には、ショウガ湯を作ってもらい、それにタオルを浸して絞り、そのタオルを下腹に当ててもらう方法を電話で指導したのですが、それで痛みは軽減されたようです

こんな治療方法を説明しながら、実技講習を進めていく予定です。