2018/02/22

咽喉が痛いがタイに行くので早く治したい (2/25 臨床実践塾の準備)


八風穴



21才の娘さんですが、
「一週間前に急に37.9度の熱が出た。
 その前にも銚子が悪くて、耳鼻科で薬をもらって、
 今も飲んでいる(ロキソニン、鼻水を止める薬、咽喉の薬)
 で、月末にタイ旅行に行くので治してほしい」

と訴えてきました。

私は問診されたカルテを見て、

「ええ? ロキソニン?」と聞いた。

「はい」

ちょっと驚いた。
咽喉が痛いだけでロキソニンを出されたというからです。

ロキソニンにも種類がありますが、とりあえず、こちらから【http://www.rad-ar.or.jp/siori/kekka.cgi?n=17162】「ロキソニン錠60mg」の副作用を載せておきます。

そのサイトによりますと、 
次のような方は使う前に必ず担当の医師と薬剤師に伝えてください。
• 以前に薬を使用して、かゆみ、発疹などのアレルギー症状が出たことがある。消化性潰瘍、血液疾患、肝障害、腎障害、心障害、アスピリン喘息または既往歴
• 妊娠または授乳中
• 他に薬などを使っている(お互いに作用を強めたり、弱めたりする可能性もありますので、他に使用中の一般用医薬品や食品も含めて注意してください)。

なぜロキソニンの副作用を書くかといいますと、上の副作用には書かれていませんが、ロキソニンは肝臓に負担がかかるようで、ロキソニンを飲んでいる人は、肝臓からの症状を訴える人が多いからです。
歯科医でもよく出される薬ですので、重大な副作用はないにしても、徐々に肝臓が弱ってくるみたいなのです。

さて、ではどのようにしたらいいかということですが、とりあえずは炎症を抑える必要があるので、「八風」(はっぷう)というツボを使うことにしました。(上の写真)

八風というツボは、上の写真に赤い破線で円を描いたあたりになり、専門的には「中足指節関節部」に当るところです。
それが、何故炎症に効くかというと、七星論での関節配置では、そこは「火=心・小腸」に対応する部位で、熱に関する治療によく使うツボなのです。

火(心・小腸)が、なぜ炎症に関係するかと言いますと、東洋医学では、「火=熱」という考え方をします。
つまり、炎症症状を治めるには「火」を使うと考えてください。
直接「心経」を寫すると、心臓が弱ってしまい、体の力が抜けてしまうので、対応する足のツボを使うわけです。
しかし、熱というのは、頭や胸部から起こりやすいので、発熱があった場合は中手指節関節部にある「八邪」というツボを使います。

答えだけを書きますと、発熱には「八邪」、炎症には「八風」と覚えてください。
(こんなことは七星論の本以外には書かれてないと思います)

炎症が起こりやすいのは、肝、腎、脾が多く、発熱が起こりやすいのは心、肺に起こりやすいので下肢のツボである「八風」と、上肢のツボである「八邪」を使うわけです。
つまり、肝、腎、脾の経絡は足に流れ、心、肺の経絡は手に流れているので、そのような組み合わせになったわけです。

さて、それでその患者さんはどうなったかと言いますと、鍼が済んだあとは、咽喉の痛みも半減していました。
しかし、よっぽどタイに行くのが楽しみのようで、

「これでもう大丈夫でしょう」と言ったのに、

「心配だから来週も来ます」と帰って行きました。(^^;)

それは今週になるのですが、多分、ケロッとしていると思います。
ケロッとしてなかったら、その後の経過を書かせて頂きます。



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2018/02/21

ホームページをやっと更新 (2/25 臨床実践塾の準備)


五虎穴



パソコンの調子が悪くて、古いノートパソコンで更新をしているのですが、これもいろいろ不具合が起こります。

しかし、やっと、何とか、  ホームページの  「臨床実践塾案内」を更新することができました。
2018/02/21

咳が続いて胸が苦しいし肩も痛い (2/25 臨床実践塾の準備)


写真① 胸郭部への鍼




写真② 顔への七星配置



タイトルのような症状を訴えて来た方がいました。
咳をし過ぎると、確かに胸が痛くなると思います。
そんな場合、前面から治療する方法と背面から治療する方法があるのですが、とりあえず胸の痛みを和らげるつもりで、脳幹区、大脳区、肩反射区、顔面の胸郭反射区へ鍼をしました。(写真①)

「どうですか? 胸はちょっと楽になりました?」

「あ、楽になったみたいです、うふっ。頭に鍼をしたんですよね!」

「ええ、脳幹や大脳の活性を図るのと、胸の痛みを抑えるような鍼をしたんです」

「ふ~ん」

咳が続いて胸が痛くなる場合は、普段あまり使わない肋間筋という筋肉が過剰に刺激され、筋肉痛のような状態になる場合もあるので、その筋肉痛を取り去るつもりで、肋間に鍼をするのも一つの方法ですが、背部から肋間筋を緩めるつもりで、背部へ鍼をして治療効果を上げる方法もあります。

しかし、写真①のような方法は、「反射区療法」とでも言いましょうか、反射的に出て来る部位に刺鍼して、最初症状に症状を治める方法と使います。
「私は」と言うのは、頭皮鍼の流派によっては、「中枢からの治療」と説明しているところもあるので、「私個人はそう考えている」という意味です。

それは、写真②を見て頂くとわかると思いますが、七星論での顔面配置は、額に「水=腎・膀胱」「筋=肺・大腸」「地=心包・三焦」を配置しており、写真①の額への鍼は、七星配置の「金」、則ち「肺・大腸」になるからです。

逆に、たとえばおでこのその部位に、ニキビや吹き出物や痛みなどの症状が出た場合、肺経や大腸経でも、ある程度治められるということになります。
ついでに話しておきますと、ニキビの出る部位で、どこの臓腑が弱いかもわかるわけです。
もし、写真②の「金」の部位にニキビが多いとすると、「肺・大腸」(ニキビの場合は主に大腸)が原因と考えて治療すれば、治しやすいわけです。

胸は、肋骨や胸椎に異変が出ていると考えてもいいのですが、「その肋骨や胸椎に異変が出たのは何故なのか」というところまで考える必要があります。
もちろん「咳が原因」と言ってもいいのですが、咳も症状の一つですので、「その咳は何故出てきたのか」という事を考える必要があるというわけです。

そんな場合は、脈診で診るよりは、七星論の「六臓診」で診たほうが的確な診断ができます。
それは何故かと言いますと、脈診は「今、現在」を診る方法だからで、「六臓診」は、時間が経過した病因まで見つけることができるからです。

この患者さんのような症状を、「筋・骨格系」と診るのか、「臓腑の異変」と診るのかは、各治療師によって違うと思いますが、再発させないためには、「臓腑の異変」と捉えたほうが賢明と思います。
さらに、「咳が何日も続いた」と言うなら、咽喉や気管支に炎症も出ていると思いますので、「炎症を治める治療」も必要だと思います。

あ、その患者さんですか?
もちろん、胸の痛みは取れたし、肩の痛みも取れました。
この患者さんは、治りがいい方なので、これで多分1~2ヶ月は来ないと思います。
いつもそうですから……。(^-^)



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2018/02/20

そのツボは正しいですか?(2/25 臨床実践塾の準備)


写真① 変則的な背部兪穴の使い方



写真② 治療中に出た背中の斑点(黄色で囲んだところ)



全身にあるツボは、WHOの定義では361となっていますが、実際に臨床で使われているツボの数は数えることができません。
たとえば、写真①の変則的な取穴などもあるからです。
ですから鍼灸師は、自分が納得したツボを多く用いているはずです。

 2月25日の臨床実践塾  の第一部は、矢田部雄史先生(大阪医療学園講師)が担当するのですが、矢田部先生は学校でも経穴を教えていますので、わかりやすく解説してくれます。
テーマは、「査穴の取穴とその使い方」になっています。
矢田部先生がどのように展開させていくかは聞いていませんが、臨床では「陰査穴」の代りに「陽査穴」を使ったりしますので、きっと面白い展開になると思います。

それで、私も補佐として入る予定ですが、私は「そのツボは正しいですか?」を内心のテーマにしています。
どういうことかと言いますと、何年か前に、背部兪穴に疑問を持つことがあり、何とか実験で検証することはできないかと考えたことがあります。

それはこうです。
たとえば、背部兪穴には「心兪」、「肺兪」、「肝兪」、「脾兪」、「腎兪」、「大腸兪」などと、対応するだろう臓腑の名前が付けられています。
しかし、「それらのツボに刺鍼して、ほんとに効果があるのだろうか?」と考えた人は私だけではないはずです。

ですから、「どのようにすれば効果があるということを証明したらいいのだろう」と考え、考えた方法を臨床実践塾で公開実験して見てもらったのです。
すると、私が仮説を立てたように、ツボの名前は、背部兪穴と臓腑との対応が間違っているのもあったのです。

そのとき、実践塾に参加している半数は信じ、半数は疑心で見ていました。
それはそうだと思います。
今まで信じて使っていたツボが、そうではなかったとなれば、間違いをしていたという事になるので、それは認めたくはないはずです。
ですから、暫くその実験については触れないようにしてきました。

もし、それを信じるとすれば、自分自身の過去も否定しなければならないので、非常に苦しんだはずです。
それは私も一緒です。
自分を否定することがどんなに辛いものかもわかっているつもりです。

しかし、実験で証明するというのは、「間違いを改める」という「革新」です。
間違っていると思われることがあれば、実験で検証して、どちらが正しいのかを決めたらいいと思うわけです。
「あの本にそう書かれていた」とか、「あの先生がそう言っていた」という裏付けのない話ではなく、「私たちがこのように実験したらこのようになった」という強い証明が必要だと思うのです。

たとえば、写真②をみてください。
黄色で囲んだところに鍼はしていませんが、刺鍼後のような斑点が出ています。
不思議ですねー。
最初にこのような反応を見たときには、
「何だろう。昔の人は、このような斑点を見てツボを決めていったのだろうか。いやいや、これだと体の半分にしか現れないので、そうではないだろう」などと考えました。

それから、年に1~2人ぐらにそのような反応を見たので、そのような反応の出る方々の共通点を考えるようになりました。
この半年ぐらいの間にも、このような斑点の出た人が2人いました。
そして、「これではないか」と思われることが見つかったのです。
しかし、数人の臨床で「原因はこれだ!」という薄っぺらいことは言いたくないので、(実践塾ではお話しますが)、ここでは控えておきます。

今度の臨床実践塾では、このような実験もしていきます。

何のために?

この、「鍼を使っての実験方法」を考え着くまでには、いろいろな試行錯誤があり、やっと見つけた実験方法ですので、「発想転換」の図り方も学んでほしいと考えるからです。
※ 私の知る限りでは、このような実験方法を使った証明は(私が公開する前には)ないと思います。



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2018/02/19

患者さんに受ける治療法:右の上前腸骨棘が痛く左の肩も痛い(2/25 臨床実践塾の準備)


写真① 左の腰がくびれている



写真② 左のくびれがだいぶ良くなりました



写真③ 右手の心経にかぶれがある



2月25日の臨床実践塾では、「診断即治療」をテーマに、「筋・骨格系調整のための鍼」を説明していきます。
それは、いわゆる「見せる治療」(魅せる治療)になるかも知れませんが、どちらかと言うと「患者さんに受ける治療法」と言ったほうがいいかも知れません。
たとえば、ビフォー・アフターの写真というのは、誰が見てもわかりやすいので、そのようなテクニックに使える治療法の公開です。

治療は、根幹から治さないと、いつまでも、何回も、治療院へ通わなければならないので、私たちは常に、「根本的な原因は何か?」という事を追求しています。
つまり、樹木で説明すると、根幹の、「根」や「幹」に原因を求めるということです。
根幹が整えば、枝葉も自然に整ってくるからです。

木が生えるには、「根」がなくては生えません。
木が育つには、栄養分の通路である「幹」がしっかりしなくては育ちません。
枝葉が伸びるには、「根」から栄養分を吸収して、「幹」を通して枝葉に栄養分を運ばなければ花は咲きません。

それを治療に喩えると、「根」は基礎理論であり、「幹」は理論展開になると思います。
そして、基礎の理論と展開があって、いろいろな治療法が生まれてきます。
現代医学では、解剖・生理を基礎にしていて、目視、あるいはMRIなどの画像を中心に捉え、科学や化学を活用して病気を理解し、治療していきます。

目で見える物質での説明ですので、国語力があればたいてい理解できます。
一方の東洋医学は、術者の感性が重要になるのですが、解剖学を基本にした「東洋医学的手法」なら、少し学べば治療法も身に着けることができます。
その代り、ある危険性もあります。

先日、上の写真①の方が、
「右の上前腸骨棘が痛い!」と来られました。
こんな場合は、片方の腸骨の前傾が多いので、足の長さを見ると、やっぱり右足が長い。
右の腸骨が前傾しているわけです。
それを調整してから、鍼で経絡調整をしました。(写真②)

上の写真①だけではわかりにくいのですが、肝臓が腫れて、左の腎臓が硬くなった状態なので、「肝・腎」の治療は欠かせません。
ところが、写真③のように、右手の心経に「かぶれ」が出ていたのです。
つまり、七星論で考えると、腎経と心経は「対応経絡」になっているので、腎の異変は心の異変として現れることも多いのです。

ですから、先ほど「肝経と腎経は欠かせません」と書きましたが、臨床では常に「肝経と肺経か大腸経」、「腎経と心経か小腸経」を使うようにします。

勘違いさせてはいけないので、「一穴鍼法」の説明もさせていただきます。
一穴鍼法は、一穴で脈を整えるというテクニックですが、脈と同時に症状も改善されますが、一穴鍼法だけで治療を終わると、短時間で症状が再発してしまいます。
ですから、「七星一穴鍼法」では、脈診よりも「脊椎診」を重要視します。
それは、脈は一時的な場合も多いのですが、脊椎の歪みは中長期的な臓腑の歪みが出てくるからです。

上の写真①と②を比較してもわかるように、治療前と治療後では、素人でもわかるぐらいに歪みが改善されています。
この方は巨鍼を怖がりますので、全て豪鍼(日本の細い鍼)だけで治療しました。

普通なら、手技療法で骨格の歪みを整えることを考えそうですが、それをしてもすぐに元に戻るので、「根や幹」から治療していったわけです。

しかし、患者さんは、基本的に素人の方がほとんどですので、自分の体に感じたことや、症状が改善されたことを中心に判断します。
ですから、軽い自動運動をさせて、矯正の効果を確認してもらうのも大切ですので、今回の臨床実践塾では、患者さん自身が、家庭で検査する方法と矯正する方法も解説します。

と言いますか、実は、体を動かして検査する方法の理論を知れば、多くの検査法に発展させることができるのです。
それは何故かと言いますと、人間の体も「根⇒幹⇒枝葉」の流れに則っているからです。



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