2018/06/19

腰を反ると右腰が突っ張る (6/24の臨床実践塾)


きのうの大阪地震で亡くなられた方や被災に遭われた方々に謹んでお見舞い申し上げます。
地震やサッカーに気を取られて、キーボードをたたくのが遅くなっています。
エレベータも動かないので、出るのも億劫ですが……。




腹七土に懲りがある




腰を反ると右腰が突っ張る



さて、
何年も当院に来られている方ですが、営業の仕事と関係あるのか、ものすごく気を遣う方がいます。
たとえば、先日来られた時には、無理やり体の変調や、気になるところを探しているように見えました。(^_^;)
そして、問診したスタッフに、
「こうして腰を後ろに反らすと、右腰が突っ張る感じがします」と話していました。

そこで、ブースに入って、仰臥になってもらい、腹部を探ってみました。
※ 腹部は、頭蓋JAAで使う診断に使います

すると、問診から判断したのは、「肝」だったのですが、腹部では「土=脾」が出ていました。
「おかしいなー」と思いながら、2~3度診たのですが、やはり「土」が出てくる。
「ま、いいか」と、頭蓋JAAでの「臓点土」に刺鍼しました。

しかし、よく考えてみると、七星論では「水→金→地→火→木→土」とエネルギーは流れるので、「土」に異変が出てもおかしくはないのです。
つまり、問診で「木」と思っても、「木の子」である「土」までエネルギーが落ちているので、腹部には「土」が出てもおかしくないわけです。

ですから、「臓点土」に刺鍼した後に腹部を触ったら、凝りが取れていました。
それで良かったわけです。

でも、それだけで満足するわけではありません。
最初の「腰を後ろに反らした時の違和感」が取れているかどうかまで確認しないと、満足できないのです。
ですから、その方にも、
「腰を後ろに反らしてみてくれませんか」と頼みました。

すると、パッと起きて、腰を後ろに反らしながら、

「あ、はい、はい。取れたようです」と言っていました。
これで私も満足できたわけです。(^_^;)

最近、頭蓋JAAでの「臓点」の使い方をず~~っと考えながら治療をしているのですが、腹部での診断と合わせると、かなり効率のいい治療ができるようになります。
七星論での「腹部七星」は、単に「腹七」などと呼んでいますが、この治療で使う「腹七」には、胃、小腸、大腸、三焦、胆嚢、膀胱などの診断法もあるので、かなり便利に使うことができます。

そして、この診断法は、鍼灸学生でも使える方法なのです。
ただし、他の診断法と一緒で、弱点もあります。
ですから、その弱点をカバーできるような方法を考えたのです。

「他の診断法と一緒で」という言葉に引っ掛かる治療師もいると思いますので、少し説明を入れておきます。
たとえば脈診を例にとりますと、脈診は、臓腑の盛衰を診たり、臓腑のバランスを診たり、鍼灸での補瀉を決定したりするのに、非常に大切な診断法だと考えていますが、以下のような弱点があります。
① 術者の主観だけで診断をする
② 今、現在の診断はできても過去の診断には使えない
③ 脈診での脈位の種類がいくつもあり、どの脈診が正しいのかは、未だに証明されてない(脈診家に恨みがあるわけではありません・笑)
④ それらの弱点を補うための工夫がわかりにくい

ですから、七星論での診断法には、これらの弱点を補うような診断を組み入れてあるわけです。
そして、この腹七による診断は、鍼灸学生でも使えると思えるほど易しい方法ですし、「患者さんと術者の双方が確認できる方法」なので、フェアな診断法になるのではないかと考えているのです。

この患者さんのように、「気遣い」が強くて、無理に症状を見つけてくれなくても、お腹を触れば双方(患者と術者)でわかることなので、フェアで便利な診断として使えるわけです。
2018/06/18

左肩が痛いほかはどこも痛くありません (6/24の臨床実践塾)




ここが痛いんです




背部の筋と痛みの出た部位(黄色い☆マーク)



「〇〇以外は痛くありません」と言うのは、ユニークな主訴の言い方です。
そこで脈を診て、脊椎を診ましたら、原因はわかったのですが、ちょうど実践塾の準備で、「頭蓋JAA」の資料を作っていることもありましたので、

「これ、おもしろいですよ。顔で痛みが軽くなるんです」と言い、鼻の横を指で10秒ほど押しました。

「どう? 軽くなったんじゃない?」と聞くと、

「あ、ほんとですね。肩が鼻なんですか?」と言う。

「いやいや、肩が鼻ということはないのですが、そこに反射区があるわけです」

「・・・ふ~ん」

「ま、これで痛みが取れるということはわかったと思うので、治療にかかりましょうか」と、仰臥になってもらい、治療にかかりました。

ポイントは、頭蓋JAAでの「臓点地」(頭蓋JAAでのツボ名)です。
しかし、痛みの出ているところは、経絡で言うと「小腸経の肩外兪」になるので、「臓点地」とは関係がなさそうです。
さらに、筋肉で観ると、表層筋では「僧帽筋」、深層筋では「肩甲挙筋」になるので、上部脊椎や頚椎を考えたほうが良さそうな感じがします。

表面的に考えると確かにそうですが、「何故そこに痛みが出たのか」を考えると、脈診や脊椎診で「心包」が出てきたのです。
つまり、この症状の原因は、小腸でもなければ脊椎でもないわけで、「心包」(心筋)からの経筋腱収縮牽引というのが起こっているわけです。
ですから、頭蓋JAAで「臓点地」に刺鍼したわけです。

そして、
「はい。起きて肩の痛みをみてくれませんか」と言うと、起き上がりながら

「痛みは取れています。寝ているときから痛みが取れているのはわかっていました」と笑いながら話していました。

そこで、
「ありがとうございます。すみませんが痛かったところを触って写真を撮らせてくれませんか、ブログのネタにも使いたいのです」と言うと、

「はいはい」という感じで、左肩を触って写真を撮らせてくれました。
2018/06/17

左腕の痺れ、息がしにくい (6/24の臨床実践塾)



右側頭部に1本鍼をしました



・左腕の痺れ(上腕は外側、前腕は内側が痺れている)
・息が吸いにくい
と訴える方が来られた。

上の写真のように、右側頭部に鍼を1本刺してから様子を聞いてみた。

「シビレはどうですか?」

「えっ?」(私の質問の意味が分からない様子でした)

「いやいや、左腕の痺れは?」

「ああ、すこし軽くなった感じがしますね」と言う。

一瞬のやり取りだったので、仮に傍で見ていた人がいたとしても、何が何だかわからなかったと思います。
と言うのは、お腹をちょっと触ってから、右側頭部に鍼を1本刺しただけなので、患者さんも、私が何をしたかわからない様子だったからです。

それから査穴(七星論独自の経穴名)に刺鍼して、再び、

「どうですか? シビレは取れましたか?」と聞くと、

「ええ、取れたみたいですね」と言っていました。

左腕の痺れなのに、なんで右側頭部に鍼をしたのだろう、と考えた人は多いと思います。
これは神経交差を考えたわけではなく、脈位を基本にしたのです。
つまり、七星論での脈位は、右手に「肺・大腸、肝・胆、心・小腸」と並べてあり、腹部で「肝・胆」と診たので、右側頭部に刺鍼したわけです。

仮に、私が手技療法の研究をしていたとすれば、先ず頚椎や肩関節、あるいは僧帽筋や肩甲挙筋、棘上筋、三角筋、上腕二頭筋・上腕三頭筋、……etc、等々の筋肉異変を探したと思います。
そして、異変を探しても、調整するのに何分もかかったはずです。

しかし、この治療法は、非常に短い時間で結果が出せます。
私自身も「あれっ?」と思うほどの早さで症状が取れてしまう場合も少なくないのです。
さらにこの患者さんの場合は、「上腕は外側に、前腕は内側にシビレがある」と訴えていますので、経絡で考えると、上腕は陽経で前腕は陰経になるので、陽経と陰経の2経を使うのが一般的な考え方になるはずです。

しかし、実際に使ったのは「右側頭部の1穴」だけです。

「頭蓋JAAは」というより「頭皮鍼は」、不思議なところがたくさんあります。
「症状に対して刺鍼部位が一定しない」のです。
驚かれる方もいると思いますが、頭皮鍼をしている先生方も、それを感じているはずです。
ただ、そんなことを言うと、「科学性がない」とか、「まやかしだ」と言われるのを恐れて、「この症状にはこのツボ」という表現をしていると思います。

というのは、2014年に私が発表した「頭蓋JAA」も、この「刺鍼部位が一定しない」という理不尽な「筋道の通らない」臨床結果に納得がいかず、そのまま寝かせてあったのです。
「治療は上手くいく、しかし理論的に解説できないという、治療法を誰が信じてくれるだろうか」と考えたわけです。

それは頭蓋jAAだけではありません。
他の頭皮鍼法も一緒と考えています。
きちんと部位を決め、誰がやっても同じ結果が出せる、というのは難しいと思います。
「脳の構造」から、頭皮への反射を考えて組み立てられているのもあるのですが、理論的には納得できても実際には結果がついてこなかったのです。

考えてみれば、鍼灸学の「経絡」についてもそうです。
未だに科学では証明できてないのです。
科学で証明できなくても、実証はできるというのが経絡なので、それが、一部の現代医学者から「インチキだ」と非難される原因だと思います。

ただ、避難するだけでは、「自分の知らないことは隠す」だけの自己防衛になってしまいますので、反証しなければならないと思いますが、納得できる反証を見つけることができません。
反証できないというのは、即ち、「暗黙の了解」ではないかと考えるわけです。

兵法に「彼(か)を知り己を知れば百選危うからず」というのがあります。
その「彼を知る」ことができてない間は、攻撃すべきではないと思います。

あ、その患者さんですか?
治療が済んだときには、腕の痺れも、息がしにくいというのも完全に取れていましたよ。
「息がしにくい」というのは、心包経が関わっていましたので、肝を整えることで心包(心筋)も整い、呼吸も楽になったわけです。

今年の臨床実践塾 は、スタッフ講習、及び講師養成のためのDVD制作を目的にしていますので、案内ハガキも少人数しか出していません。
興味のある方は、直接当院(06-6765-7622)にお問合せください。
2018/06/16

二の腕が痛いんですが…。進化を続ける頭蓋JAA (6月24日臨床実践塾の準備)




「臓点金」への刺鍼で痛みが取れました 




「腕を上げても痛くないです」 



「二の腕が痛いんです」という方が来られました。
腹診をすると、「金=肺・大腸」の部に凝りと痛みがありましたので、頭蓋JAAの「臓点金」に刺鍼をして、痛みを確認すると、
「治りました。腕を上げても大丈夫です」と言って、万歳までして見せてくれました。

これでまた新しい治療技術が生まれてきたような気がします。
ポイントは「腹診」との組み合わせです。
この鍼は、腹部の硬さを瞬時に和らげてくれるので、「下腹が張って気持ち悪い」という方などは、非常に喜んでくれます。

ただし、お腹がパーンと張った方などには向きません。(^o^)
きょうも時間がないので、あまり書けませんが、時間を見つけて書いていきます。
2018/06/15

左足の第一趾(親趾)と第二趾の間が痛い (6/24臨床実践塾の準備)




ここが痛いんです 




頭蓋JAAでの治療点に刺鍼しました 



足の第一趾と第二趾の間というのは、肝経の経絡が流れているところで、鍼灸師ならだれでも「肝の異変だな」と考えるはずです。
もちろん私もそう考えました。

肝経なので、その少し上に「太衝」という肝経のツボがあります。
そのツボは、いろいろな治療に使われます。
写真の指で示している部位は「行間」というツボで、太衝と同じように「目の疲れ」などの治療に使います。

その方が訴えるのは、その部の痛みですので、痛みをどのように取るかの問題になります。
そこで、腹部で診断してみることにして、腹部を押圧してみました。
すると、「火・木・土」に痛みと硬結がありました。

これを七星論で考えると、七星論の流れが「火→木→土」となるので、「火」を補せば、木も、土も、正常化されるはずです。
ですから、「火」に刺鍼して、少しの間だけ置鍼しておこうかとも考えたのですが、たまたま時間がなかったので、「火」だけでなく「木」にも刺鍼した。

それで足趾間の痛みはすぐに取れたのですが、腹部反応点の「火」の位置の硬さは取れてなかった。
その後も、何人かに試してみたのですが、やっぱり「火」の硬さは取れにくかった。
先日やった実験では、ガッツポーズをしたくなるぐらい上手くいったのですが、何故か上手くいかない。
何故だろう。

それで、時間の空いたのを利用して、私とスタッフの4人でテストをしてみたのですが、腹部全体の硬さは軟らかくなるのですが、「火」の部位だけは取れにくかった。
先日の実験では、爪先で刺激したのですが、今回は鍼を使ったので、そこにも原因があるのだろうか。
いや、刺鍼部位に問題があるかも知れないし、鍼の方向に問題があるかも知れない。
あるいは診断点に問題があるかも知れない。

ですから、引き続き時間を見つけてテストを繰り返すことにした。
もしかしたら、別の角度からの診断には使うことができるかも知れないので、慎重に検討してみようと考えています。

1~2本の鍼を頭に刺して、症状を消すことができ、腹部で確認することができれば、「治療と診断」という角度から見れば、おもしろいことになるはずです。
何故かというと、これまでの頭皮鍼は、「症状を治める」というのが目的になっていて、「他の反応部位で検証する」というのがないと思うからです。
※ ここでの検証とは、脈診などでは検証になりませんので、術者と患者の両者が確認できる検証方法のことです。