2018/02/19

患者さんに受ける治療法:右の上前腸骨棘が痛く左の肩も痛い(2/25 臨床実践塾の準備)


写真① 左の腰がくびれている



写真② 左のくびれがだいぶ良くなりました



写真③ 右手の心経にかぶれがある



2月25日の臨床実践塾では、「診断即治療」をテーマに、「筋・骨格系調整のための鍼」を説明していきます。
それは、いわゆる「見せる治療」(魅せる治療)になるかも知れませんが、どちらかと言うと「患者さんに受ける治療法」と言ったほうがいいかも知れません。
たとえば、ビフォー・アフターの写真というのは、誰が見てもわかりやすいので、そのようなテクニックに使える治療法の公開です。

治療は、根幹から治さないと、いつまでも、何回も、治療院へ通わなければならないので、私たちは常に、「根本的な原因は何か?」という事を追求しています。
つまり、樹木で説明すると、根幹の、「根」や「幹」に原因を求めるということです。
根幹が整えば、枝葉も自然に整ってくるからです。

木が生えるには、「根」がなくては生えません。
木が育つには、栄養分の通路である「幹」がしっかりしなくては育ちません。
枝葉が伸びるには、「根」から栄養分を吸収して、「幹」を通して枝葉に栄養分を運ばなければ花は咲きません。

それを治療に喩えると、「根」は基礎理論であり、「幹」は理論展開になると思います。
そして、基礎の理論と展開があって、いろいろな治療法が生まれてきます。
現代医学では、解剖・生理を基礎にしていて、目視、あるいはMRIなどの画像を中心に捉え、科学や化学を活用して病気を理解し、治療していきます。

目で見える物質での説明ですので、国語力があればたいてい理解できます。
一方の東洋医学は、術者の感性が重要になるのですが、解剖学を基本にした「東洋医学的手法」なら、少し学べば治療法も身に着けることができます。
その代り、ある危険性もあります。

先日、上の写真①の方が、
「右の上前腸骨棘が痛い!」と来られました。
こんな場合は、片方の腸骨の前傾が多いので、足の長さを見ると、やっぱり右足が長い。
右の腸骨が前傾しているわけです。
それを調整してから、鍼で経絡調整をしました。(写真②)

上の写真①だけではわかりにくいのですが、肝臓が腫れて、左の腎臓が硬くなった状態なので、「肝・腎」の治療は欠かせません。
ところが、写真③のように、右手の心経に「かぶれ」が出ていたのです。
つまり、七星論で考えると、腎経と心経は「対応経絡」になっているので、腎の異変は心の異変として現れることも多いのです。

ですから、先ほど「肝経と腎経は欠かせません」と書きましたが、臨床では常に「肝経と肺経か大腸経」、「腎経と心経か小腸経」を使うようにします。

勘違いさせてはいけないので、「一穴鍼法」の説明もさせていただきます。
一穴鍼法は、一穴で脈を整えるというテクニックですが、脈と同時に症状も改善されますが、一穴鍼法だけで治療を終わると、短時間で症状が再発してしまいます。
ですから、「七星一穴鍼法」では、脈診よりも「脊椎診」を重要視します。
それは、脈は一時的な場合も多いのですが、脊椎の歪みは中長期的な臓腑の歪みが出てくるからです。

上の写真①と②を比較してもわかるように、治療前と治療後では、素人でもわかるぐらいに歪みが改善されています。
この方は巨鍼を怖がりますので、全て豪鍼(日本の細い鍼)だけで治療しました。

普通なら、手技療法で骨格の歪みを整えることを考えそうですが、それをしてもすぐに元に戻るので、「根や幹」から治療していったわけです。

しかし、患者さんは、基本的に素人の方がほとんどですので、自分の体に感じたことや、症状が改善されたことを中心に判断します。
ですから、軽い自動運動をさせて、矯正の効果を確認してもらうのも大切ですので、今回の臨床実践塾では、患者さん自身が、家庭で検査する方法と矯正する方法も解説します。

と言いますか、実は、体を動かして検査する方法の理論を知れば、多くの検査法に発展させることができるのです。
それは何故かと言いますと、人間の体も「根⇒幹⇒枝葉」の流れに則っているからです。



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2018/02/18

歩き出すと左のお尻が痛い(2/25 臨床実践塾の準備)


下行結腸の触り方



第四生泉水穴へのお灸



2月25日の臨床実践塾では、潜伏した体の歪みの検出方法と矯正方法の原理と実技を解説しますが、原理がわかれば、診断と治療に悩むことがなくなります。


タイトルのような症状を訴えて来た方がいました。
最初は「梨状筋症候群が出たかな?」と思ったのですが、この方は時々膝痛を訴えていましたので、大腸が原因かもしれないと思い、下降結腸の辺りを押さえると、痛がるのです。
※ 「なぜ大腸と考えたか」と言いますと、七星論では「関節への七星配置」といのがありまして、股関節が「水=腎・膀胱」、膝関節が「金=肺・大腸」、足関節が「地=心包・三焦」という分け方があり、それを使ったのです。

それでも念のために「梨状筋症候群のテスト」をやってみました。
・SLRテスト:仰向けに寝た状態で、検査する方の足を伸ばしたまま上に挙げ、その位置から股関節を内側に捻ります。
つまり、梨状筋を伸ばす格好になり、お尻に(梨状筋に)痛みやしびれなどが出たら陽性と診ます。

・フライベルグテスト:仰向けで、痛みの出る側(検査する側)の足を曲げて、内側に持っていきます。
つまり、梨状筋を伸ばす格好になり、臀部の痛みやしびれなどが出たら陽性です。

いずれのテストも、梨状筋を伸ばして痛みがあるかどうかを診ているわけですが、だいたいは一つのテストでわかりますので、一つのテストで陽性だったら、「陽性」と判定していいと思います。

参考:梨状筋症候群の症状
① 痛みや知覚異常が、下背部、腰部、仙腸関節、鼠径部、会陰部、殿部、後大腿部と下腿部、足部、および排便時の直腸痛が起る
② 長時間の座った姿勢や、腰を屈曲させたまま大腿の内転や内旋させた状態を続けたり、活動したりすることにより悪化する
③ 太ももの裏、ふくらはぎ、足先までの痺れで、坐骨神経に沿った痺れが起こる
④ 長時間座っているとしびれが悪化する
⑤ 腰を前に曲げて前屈すると、足の痺れが強くなる
⑥ 痺れている側を上にして寝ると痺れが悪化する
⑦ 痺れの種類は
  鋭い痛み
  ビリビリと神経的な痛み
  電流が走るような痛み
  灼熱感を感じる違和感
⑧ 症状が椎間板ヘルニアと似ているので、間違われることも少なくありません


それで、この方は、問診でも梨状筋症候群のテストでも陰性(反応なし)と判定したので、「大腸からの経筋腱収縮牽引」と考えたわけです。
となると、大腸を動かして代謝をあげるよういすればいいわけです。
もちろん、経絡で大腸経も整えておきます。

ここで、経絡の話が出ましたので、筋肉でのテストと、脈診と、六臓診で診るのとではどのような違いがあるかと言いますと、動診でのテストは、その筋肉にアプローチした方法なので、適切と思いがちですが、筋肉は一つの筋肉だけで判断すると間違う場合があります。

たとえば、梨状筋は「大腿骨を外旋する筋肉」ですが、梨状筋以外にも、内閉鎖筋、外閉鎖筋、上双子筋、下双子筋、大腿方形筋も大腿を外旋させる働きがあり、大臀筋や中臀筋や小殿筋は股関節を屈曲させる筋肉ですが、それらも「お尻の痛み」という症状が出てくるのです。
ですから、動診で診るのは、どちらかというと、関節運動のテストと考えたほうがいいように思うのです。
さらに、その筋肉が原因だとしても、その筋肉に「影響を与えた何か」があるはずで、それは動診では判断できないのです。

そして、脈診では経絡変動を診て臓腑の異変を診るのですが、それはあくまで「臓腑対象」と考えますし、脈状は簡単に変わってしまうので、筋・骨格系の診断にはあまり向いてないと思うのです。
※ 七星論では、身体各部を七星に分けてありますので、症状のある部位と臓腑との関係が即座にわかります。

となると、残るのは「七星論の六臓診」になるのですが、六臓診は、解剖学を基本に組んでありますので、経絡の判定も筋肉との関係も、すぐに結びつけることができますので、筋・骨格系や関節の関係を診るには、「六臓診」のほうがいいのではないかと考えていますし、実際の臨床でも、それらを使って診断しています。

さて、この方の治療法ですが、
① 経絡治療で大腸経を整えるようにします。
② 大腸を活性化するために腹部から大腸を押圧します
③ 七星論でいう「第四生泉水穴」に灸3壮をします
お灸は大きめでないと効きませんので、症状の出ている側の第四生泉水穴には、小豆半分ぐらいの大きさで施灸したほうがいいです。

これで治療はOKになりますが、ひどい状態の場合は、これだけでは治まらないこともあります。
その場合は、前回の臨床実践塾で解説した腸骨の前傾や、肝、腎の状態も診て、それらも整えます。
(臓腑は、七星論での陰査穴を使えばだいたい治まっています)



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2018/02/17

ご飯を食べるときに「噛む」と耳の中が痛い(2月25日の臨床実践塾)


第四生泉水穴へのお灸



家のパソコンも、治療院のパソコンも調子が悪くて、ブログやホームページの更新に支障が出ています。
先ほど、2月25日の臨床実践塾の案内を掲載しましたが、ホームページの更新は明日やってみます。
もしかしたら、更新できないかも知れません。 (゚゚)(。。)ペコッ


タイトルのような症状を訴えて来た方がいました。
顎関節の異常です。

顎関節症は、顎関節だけでなく、骨盤や脊椎、及びそれらの骨格に影響を与えている筋肉や腱、そして最も大切なのは、その筋肉や腱に影響を与えている臓腑まで診断できなければ、的確な治療はできないと考えています。

それらw整える治療法はいろいろあるのですが、それは診断によっても違ってきます。
ですから、
「この病気にはこの治療!」という考え方は、あまり良くないと考えます。
東洋医学でいう「同病異治」ということです。
つまり、同じ症状や病気でも、原因が違えば治療法も違うので、「同病」であっても、「異なる治療」を施すという意味です。

さてこの方ですが、顎関節症の場合は多くが頸椎も絡んでいますので、頸椎の調整をするために、踵の内側にある「水泉」を押してみました。
左は何ともなかったのですが、右の水泉を押すと、片方の顔を縮めて「いた~~い!」という表情をしていました。

「痛いでしょう。実はここが頸椎と関係していて、それが顎関節とも関係しているのです」と言うと、

「へー、顎やのに足ですか。おもしろいですねー」と言う。

「これは鍼を1本刺せばもっとわかりますので、ここに鍼を1本刺していいですか」

「はい、はい。ええ、どうぞ!」ということで鍼を1本刺しましたら、顎を開け閉めしながら、

「あ、痛みが楽になった感じです」と言うので、

「写真撮ってもいいですか、ブログのネタにしますので・笑」と言い、痛みのある場所を指で差してもらったら、耳の中だから差せないと言うので、とりあえずポーズだけとってもらい、「はいパチリ」と写真を撮りました。
それが上の写真です。

それから、骨盤や脊椎を整え、心包経を整える治療をしましたら、

「はい。右の顔全体がおかしかったのですが、軽くなりました。もう大丈夫だと思います」と言っていました。



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2018/02/17

2月25日(日)の臨床実践塾ご案内


膝痛の調整



家のパソコンも、治療院のパソコンも調子が悪くて、ブログやホームページの更新に支障が出ています。m(__)m


臨床実践塾のご案内


2018年2月25日(日)(テキスト印刷の関係で予約が必要です)

日時:第一部13:00~14:30 第二部14:45~17:00
会場:たかつガーデン(大阪府教育会館)

第一部 ≪査穴の取穴とその使い方について≫
講師:矢田部雄史(大阪医療学園講師)
査穴は非常に便利なツボで、経絡治療から筋・骨格系の治療にまで使えますので、その取穴法や使い方の説明をします。
受講費:5.000円(ビデオ撮影あり)

第二部 ≪臨床技術向上のための実験学習≫
講師:新城三六
我々の記憶に残るのは、経験したことが優先されるようですので、臨床で用いる実技を実験で確認し、臨床のレベルアップに役立てます。
受講費:10.000円(ビデオ撮影あり)

第三部 ≪親睦会≫
和食セット+飲み放題3.500円(税別)
親睦会は要予約・キャンセル不可

【申込み】新城針灸治療院



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2018/02/14

腱鞘炎の治し方


赤の破線で示したところが痛い



側頭部に鍼を1本刺してテストをしました



あ、ペットボトルが開けらます。これでいいです



腱鞘炎で来られた患者さんがいます。
この方は、最初に来られたときには、両手にサポータをして、手への軽い接触でも避けるようにしていました。
その症状は、初回でだいぶ良くなり、何度か治療して腱鞘炎も治まり、仕事に復帰したのですが、たまに腱鞘炎の痛みが出てやって来ます。

仕事がパソコンで入力するのが多いようで、手首から指までを酷使しているのは間違いないようです。
しかし、その方だけがパソコン入力をしていることはないので、他にも原因があるはずです。
炎症を起こしやすい飲食物の摂取です。
飲食物のことを言うと、敬遠される場合が多いのですが、それを言わないと治療が長引くし、完治させられない場合もあるのです。

たとえば、「アルコール性肝炎」の患者さんがいたとして、基本的にはアルコールを飲むのを控えるように言うのが治療する側の常識ではないかと思います。
同様に、炎症を起こしやすい飲食物を摂りながら、「炎症を治してくれ!」と訴えてくる患者さんには、「炎症を起こしやすい飲食物を控えてください」と言うのも常識の範囲内だと考えています。

では、腱鞘炎は整形外科ではどのように考えているかというと、手首の親指側に起る炎症を「ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)」と呼ばれていて、親指のつけねの内側に観られる症状のことを言います。
この説明は、  「日本整形外科学会のHP」 にイラスト入りで掲載されていますので、そちらを参考にされてください。

炎症とは: 細菌やウイルス、外傷などの物理的作用、また薬物などの化学的作用により起こる生体の防御反応で、発熱、発赤、腫脹、疼痛などの症状があります。
私は、精白糖の過剰摂取によって化学的作用が発生すると考えています。


さて、この方の腱鞘炎ですが、

「どのようにしたら痛いのですか?」と聞いたら、

「親指を広げるときも痛いし、ペットボトルが開けられないんです」と言うので、スタッフにペットボトルを持って来てもらって、

「はいこれ! 開けてみて! 写真撮りますね」と写真も撮らせてもらった。

ペットボトルを開ける動作をすると、痛そうでしたので、

「わかりました。ちょっと頭を触らせてくださいね!」と頭皮鍼をする場所を探しました。

それから仰臥になってもらい、側頭部に1本鍼を刺してから、

「はい。起きてペットボトルを開けてみて!」と言うと、起き上がってペットボトルを開けて、

「はい。はい。これでいいです」と言う。

「ちょ、ちょ、ちょっと待ってください。もっと治療させてくださいよ。これだけだとすぐに再発してしまうと思うので……」と治療を続けました。

側頭部への鍼は、「頭蓋JAA」と言って、2~3年前に私が開発した方法で、「臓点」というツボを使っています。
ここで注意してほしいことは、頭皮鍼で症状が軽くなったら終わりではないことで、ほんとはここからが大切なのです。

腱鞘炎を起こしている人は、首、肩、肘、腕にも症状が出ているので、そこらも治療したほうがいいのです。
たとえば、この患者さんも、

「両手の示指から拇指にかけて、腱鞘炎が痛く、首から肩にかけて凝りがひどくなってきた」と訴えていたのですが、治療が済むころには、それらの症状も消えていました。



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