2017/09/25

きのうの臨床実践塾・第一部

2017年09月24日 実践塾
    下腿三焦経と心包経の実験


第一部は、矢田部先生が「特効穴の実技と解説」とタイトルでお話をして頂きました。
矢田部先生は鍼灸学校で経穴も教えていますので、経穴には精通しています。
昨日の講義は、主に七星論での「下腿三焦経」に重点を置いていました。
普通に「三焦経」と言えば、「手の少陽三焦経」になり、教科書には「下腿三焦経」などというのはありません。

では、何故「下腿三焦経」などというのを作ったのか、ということになります。
たとえば、鍼灸学校で学ぶ経絡では、経絡は手足の指(趾)に始まったり終わったりします。
しかし、足の第3趾には何の経絡も流れてないのです。

ないならないでもいいのですが、ASO(閉塞性動脈硬化症)で足趾が壊死するのは、第3趾からなのです。
それは、「三焦経は生命エネルギーの始まり」という考え方があり、その考え方からすると、体が弱るときも三焦経からではないかと考えることができるわけです。
つまり、「三焦経の生命エネルギー」の流れが途絶えるとき、体は機能を失い、壊死してしまうと考えたのです。

そして、大学で脳の研究をされている医学博士の先生も、「それは納得できる」と話していたそうで、脳の実験をしている時に、「胃経でも胆経でもないラインに顕著な反応があったので…」と答えていたそうです。

ま、下腿三焦経があるかどうかというのは、これからの問題にするとして、当院では下腿三焦経を臨床で用いています。
これは、私の感覚ですが、胃経の上巨虚とか下巨虚を使うよりも、下腿三焦経を使った方が治療効果はいいのです。
臨床家は、理論よりも結果を重視するのが一般的ですので、いつしかそのようになってしまったのです。

そこで矢田部先生は考えました。
「臓腑は表裏で表されるが、下腿三焦経の表裏はどうなっているのか」と。

表裏とは、以下のようになっています。

表裏
経絡の表裏関係

そして、出した答が、足の三焦経の表裏は、手の三焦経の表裏と同じで、「その裏を心包経に求めていいのではないか」ということになったようです。

何故実験が必要なのか?

これは私が口癖のように言うことなのですが、
「古典にそう書かれていました」とか、
「◯◯先生がそう言っていました」と言うのは、理路整然のように聞こえますが、それは文献や他の意見に逃げているに過ぎないのです。

「で、あなたの意見はどうなの?」という質問に答られるようするのがいいと考えるわけです。
「本に書かれていた」とか「あの先生がこう言ってた」というのは、人が違い、場所が違い、時代が違い、環境が違うと通用しないことがたくさんあります。
たとえば冷え性。
クーラーが汎用される時代になってから、夏でも冷え性が増えてきたのです。

鍼はどうですか。
中国鍼は太いです。
現在は少し細くなってきましたが、太い鍼を使っていた時代に書かれた文献を参考にして同じ治療ができるのでしょうか。

こいうのを
「やばい!」
と言うのではないでしょうか。(笑)

話を戻します。
で、矢田部先生が皆さんの前で実験をして見せたのですが、結果は仮説通りになりました。

こういう公開実験というのは、非常に勇気がいりますが、非常に大切なことです。
たとえば、治療法のDVDが次々と販売されるのですが、臨床モデルの方は必ずと言っていいほど「若い女性」です。
それは見映えもありますが、

① 若い
② 女性

という点で考えると、若いと動脈硬化が進んでないので、体は柔らかいです。
女性は男性よりも身体が柔らかいです。
ですから、関節も動きやすいので、その販売したいDVDに収録されたテクニックは高く見えるのです。
仮に、高齢者の男性をモデルとして使ったら、そのDVDは殆ど売れないと思います。(^_^;)

矢田部先生は、その後に「鎮痛穴」などの説明もしていましたが、そんなこんなで、昨日の臨床実践塾の第一部は終わりました。




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2017/09/24

親指の腱鞘炎を治療してビックリした(きょうの臨床実践塾)

母指球1
    ビフォー

母指球2
    アフター

CM関節
    CM関節


左の母指球辺りにあるCM関節の腱鞘炎を治療してビックリした。
(治療師がいちいちビックリしてはいけないのですが)
顔にはビックリした表情は出てなかったと思いますが、ほんとに驚いた。

一番上の写真と二番目の写真で、左の母指球を見てください。
二番目の写真はシワが寄っています。
たった1分程度の治療での変化です。
ビックリしませんか?

治療経験のある方ならビックリしますよね。
たった1分程度の治療で、こんなにシワが寄るなんて。
たまたまタイミング良く、
「ブログのネタに使いたいので、写真撮らせてね」と写真を撮ってあったのもラッキーでしたが、こんなに変化が出てのもラッキーでした。(笑)


ご本人が、
「ええーっ、これ見てください。シワが寄ってる」というので、見たらほんとに考えられないほどのシワが寄っている。
「お、凄いな! ちょっとそのままで写真撮らせて」と、パチリ!

長い間この仕事をしていますが、このような症状で、こんな短時間に、こんなに大きな変化が出たのを見るのは多分、初めてです。

非常にタイムリーな方です。

何が?

いや私が。(^_^;)

実は、きょうの臨床実践塾で、肘関節の治療法もするのですが、肘関節の治療で手関節も整うという実技を準備してあったのです。
参加者の方々に、このビフォーアフターの写真を見せることができるからです。

肘関節は、腕尺関節・腕橈関節・上橈尺関節の3つの関節よりなる複関節で、全体が1つの関節包で包まれています。
長時間手首を使う仕事をした時のことを考えてみてください。

腕の内側に力を入れっぱなしだと、腕の内側の筋肉(屈筋)に過緊張を与えることになるので、手首にも異変が出てきます。
理由は、屈筋に力が入れば、それに連なる骨が引っ張られて、骨と骨を繋いでいる関節が歪んで来るのです。

それは、筋肉の多くは骨に付着していて、片方の筋肉が引かされると、それに連なる骨と「ズレ」が生じ、歪みが出てくるからです。
そして、過緊張した筋が神経を圧迫したり、歪んだ骨で神経を圧迫したりすると痛みという症状が出て来るわけです。

腱鞘炎の場合は、鞘(さや)の中を通る細い健が、鞘との摩擦で炎症を起し、それが腫れて腱鞘炎となるのですが、鞘の部分が現と考えるのではなく、「何らかの歪みが健を過緊張させて鞘との摩擦を大きくした」と考えるわけです。

と考えると、関節の歪みが考えられてきます。
そうです。
関節の歪みが筋・腱を過緊張に導いて、炎症という症状に繋がっていくわけです。
ですから、逆算して、関節の歪みを整えれば、炎症は治まるわけです。

ただ、「関節」と言っても、「どこがどのように?」というのがありますので、そこが難しいの」です。
この場合だと、肘関節を整えて、手首にある下橈尺関節と橈骨手根関節を整え、それからCM関節を少し、少しだけ動かしただけなんです。




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昨日、  臨床実践塾  の準備でスタッフを共に実験をしました。
足関節調整(矯正)の実験ですが、右足は手技療法で、左足は鍼で調整してみました。
調整した結果は、どちらがいいとも言えないのですが、これまでの臨床結果からすると、治療効果の持ちがいいのは鍼での矯正です。

右足は、距腿関節と距骨下関節を緩めてから、アキレス腱を伸ばし、それから再び踵骨と距骨を滑らすように矯正しながらアキレス腱を伸ばしました。
(鍼に比べるとちょっと時間がかかります)
左足は、アキレス腱下部に近いほうに(承命というツボに)、仰臥のまま5番鍼を使い、その後に、踵骨と距骨を滑らすように矯正しながらアキレス腱を伸ばしました。

ま、ここまでは、今までやってきた治療法ですが、この後が面白い。
伏臥になってもらい、膝を曲げさせ、踵がお尻に着くように押していくのです。
治療師の方なら、
「えっ? なんで?」と思ったかも知れません。

実はこれ、脛腓関節の調整なんです。
下腿の骨は、脛骨が中心になって体を支えていて、脛骨は前頚骨頭靭帯、前脛腓靭帯、下腿骨間膜等によって脛骨とつながれて、浮き草のようになっているのです。
ですから、これらの靭帯や膜に弾力がなくなると、腓骨は下に下がってしまうらしいのです。
そして腓骨が下がってくると、足関節の動きを邪魔して、足関節の可動域が制限されて、足関節に痛みなどが出てくるわけです。

そのために、脛腓関節を整えるのですが、脛骨は動きやすい骨ですので、下腿がベッドと水平になるように、下腿を術者の大腿に乗せて、腓骨頭と外果を左右の親指で動かしてもいいのですが、その場合は、きちんと定位置に治めにくいのです。

ですから、伏臥になってもらい、足底を掴まえて、お尻に向けて押して調整するわけです。
これだと、まず、変な方向には行かないはずです。
これをすると、自然に足関節まで整えられます。
しかも簡単ですので、テクニックとしては楽です。

さて、手技療法と鍼灸での調整の違いは何かということになりますが、手技療法で治療している方は不満を覚えるかも知れませんが、これは当院の臨床ですので、ご了承ください。
鍼を使ってアキレス腱を緩めると、中の筋肉や腱のズレまで調整されるので、治療効果の持続性がいいのです。

ですが、今度の臨床実践塾では、その両方のやり方を勉強してもらいます。



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category - 診断即治療
2017/09/21

前腕の痛みを爪先で治した話 (9月24日の臨床実践塾)


腕橈骨筋2
    腕橈骨筋

腕橈骨筋
    この辺りが痛い

爪での刺絡
    爪での治療


この治療法は、簡単すぎて、  臨床実践塾  では、できません。
セミナーに来られる方々はプロだからです。
ただ、ブログのネタとしては多分、「おもしろい読み物」になると思います。

右手に力を入れると、腕橈骨筋が痛いという方が来られました。
一番上の写真が腕橈骨筋の解剖イラストです。
二番目の写真が、痛みの出たところです。
三番目の写真は、痛みを治しているところです。

この方が、「肘に力を入れると、ここが痛い」と腕橈骨筋辺りを指差しました。
最初は、筋・骨格系の手技療法で、肘関節を調整して治そうかと考えたのですが、肘関節を整えるには、肩関節も調整しなければならないので、時間がかかります。

そこで、鎖骨下筋(鎖骨の下に流れる細い筋肉)を触ってみると、ちょっと固いので、経絡で治療することにしました。
その痛みの出たところは、経絡でいうと「肺経」になります。
肺経の経絡は、親指の爪の付け根まで流れていますので、そこを爪でチョンチョンチョンとやったら、先ほど痛かった腕の筋肉がフワーッと緩みました。

その時、あっ、ブログのネタになる、と思ったので、(笑)

「あのー、ブログのネタにしたいので、写真撮らせてくれませんか?」と聞いたら、

「いいですよ。どうぞ!」と言ってくれたので、

「誰か―、誰か写真撮ってほしいいんだけど」とスタッフを呼んで写真を撮ることになりました。

そして、カメラを構えさせて、

「ちょっと、さっき痛かったように腕に力を入れてみてくれませんか」

「こうですか? あら? 痛みがないですよ」と笑顔で私を見ています。しかしカメラも準備したので、何とか写真を撮りたかったので、

「そうですか。では、もう少し痛みが出ないようにしておきましょう」

「えっ? どうするんですか?」とやる気満々な感じでした。

「いや、〇〇さんは何もしなくていいです」

と話をしながら、もう一度爪先をチョンチョンチョンとやりました。

それから、経絡を整える治療をしたのですが、久しぶりにめちゃくちゃ簡単な治療だった。
だけど、この治療法は「井穴刺絡」と言って、ほんとは爪の根本から少し血を絞る方法なのです。
しかしそれだけだと治療効果は長持ちしないのです。
ですからそれだけで終わると、後で再発する可能性があるので、とりあえず肘関節を整える手技も加えておきました。

はー、とっても楽しい治療でした。(^―^)



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2017/09/20

手関節の調整は筋肉調整でも経絡治療でも行えます (9月24日の臨床実践塾)

この記事は 臨床実践塾の内容説明 です。

手関節2

    手関節の構造

文字が小さくて見えにくいのですが、手関節の調整は肘関節、及び上橈尺関節、下橈尺関節を同時に調整する必要があります。
手関節の場合は上肢の伸筋が影響している場合が多いからで、上腕の後ろの筋力が少なくなって、手関節に負担をかけて手関節を歪めていることが考えられるからです。
ですから、手関節を調整するには、肩関節、肘関節、橈尺関節、そして上腕三頭筋も調整する必要があります。

具体的には、肘関節の上橈尺関節、手関節の下橈尺関節の捻れなどを調べて、その調整からするといいのですが、意外に多いのが手首の背屈困難で、この場合は、上腕三頭筋も関わっていますので、その調整も行います。

上腕三頭筋
    上腕三頭筋

方法は、腕を伸ばし、手首を背屈させて、術者は「背屈させないように」抵抗を加えます。
そのまま10秒ぐらい維持してから、力を抜くこと3回~5回。
その方法を行なってから、手関節の動きを確認してください。
※ 手関節の腱などに損傷がある場合は、この方法では治りません

そして、上のイラストを見るとわかると思いますが、親指側に「金:肺・大腸」、中間辺りに「地:心包・三焦」、小指側に「火:心・小腸」と書かれています。
これは鍼灸での経絡で、この部が「原穴」と言われる所で、「病が現れるところ、及び病を治療するところ」という解釈をします。

つまり、これらの経絡に関係のある臓腑の異変で手関節の歪みを作っている場合もあるわけで、その場合は、それらの経絡を使って治療することができます。
いや、それらの臓腑が原因でなくても治療できる場合もあり、多分、多くの鍼灸師がその方法も併用しているのではないかと考えています。

しかし、実際には、その部位に鍼灸を施すのではなく、募穴や腧穴、或いは特効穴を使う場合が多いので、そこに鍼灸をすると考えるのは、早合点です。
ですから、最初に筋肉を調整してから、臓腑の治療としてそれらのツボを使ったほうが利口というものです。

そして、手関節に異常が発生した場合は、多くが、手根骨の舟状骨、月状骨、三角骨のいずれか、或いはいくつかに歪みを作っていますので、その場合は該当する手根骨を上下・左右・捻転を調整してから、橈骨手根関節や手根間関節を動かしてみます。
関節を動かす方法は、術者の手で、患者さんの手を、握手をするように握って、前後、左右、捻転と動かしていきます。



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